MR(医薬情報担当者)だって恋します!

***


 腎臓内科のドクター方はMRに好意的で、強いMRは対等に近い感じで話している。
 私はそこまではいかないが、ドクターたちが話している場で自分の意見をやんわり言えるようになっていた。もともとエクサシールがよく処方されている科なので処方を強く促す必要もあまりない。医局で気が抜けるという珍しい科だった。

「今日もエクサシール、処方しといたよ。鈴木さん頑張ってるからね」

 医局長の谷口先生に言われ、私は、

「ありがとうございます!  明日もよろしくお願いします!」

 と頭を下げた。谷口先生は真面目なMRが好きなようで、私はそれに当てはまると思われているらしい。

「アオハナの白崎さんから聞いたよ。腎臓内科の谷口先生に鈴木さん気に入られてるんだって?」

 今野さんに言われ、私は遠慮がちに頷いた。

「僕も助かるよ。よく処方も出てるしね」

 そう言われて、私は嬉しかった。
 助かる、か……。
 家ではいつも役立たずと言われていた私は、こうしてますます仕事に傾倒していった。

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