MR(医薬情報担当者)だって恋します!

***


 少しずつ強くなりたい、と思いながら働いて二週間。なんとか営業を頑張れていたとき。
 私はまた大きな失敗をすることになる。

 呼吸器内科の医局に販促品を置きに入った時だった。
 塩屋先生と大川製薬のMRの原口さんが一緒に医局に入ってきた。とても親しげに話をしている。
 私は医局を出ようか迷ったが、原口さんが私に向けた意味深な目線が気になり、出るのをやめた。

「最近千薬さんの鈴木さんが医局によくいるから、心配なんですよ。塩屋先生、処方の方もよろしくお願いしますね」

 原口さんの言葉に塩屋先生は、

「分かってる分かってる。ちゃんと出してるから」

 と答えた。
 私の中に黒い怒りが宿った。胃のあたりに不快感を覚える。

「じゃ、僕はこれで」

 原口さんが医局から出ると、塩屋先生と二人になった。
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