MR(医薬情報担当者)だって恋します!
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「おはようございます」
朝イチの営業を終えて支店に入ると、同期の女子たちはほとんどデスクに着いて事務作業をしていた。
彼女たちは皆綺麗にメイクをしているし、爪も整えてマニキュアをしている。お洒落なスーツを着ていて靴もヒールのあるパンプスだ。彼女たちと自分を比べてみるとはっきり分かる。支店の女子MRの中でも私は地味でどこか浮いていた。
千薬製薬会社は女子のMRが多い会社だ。研修が始まるまで知らなかった。
女子の集団が苦手な私は、また失敗したかなとそのとき思った。
私のこれまでの人生は浪人を始め、失敗が多かったから。
一番の失敗はあの家に生まれたことだと思っている。
だから、MRの中でも最もきつい大学病院担当になってしまったけれど、配属で家を出られたのは唯一の幸運だと思っていた。
同期の中で浮いていても平気。そう自分に言い聞かせて、毎日仕事にのめり込むしかなかった。