MR(医薬情報担当者)だって恋します!
午後もいつもと同じ。
腎臓内科のドクターたちは時々その日何人に処方出した、と報告してくれるので嬉しい。
今日はシルビルナは何例出たのだろうか。
そう思いながら3階のエレベーターホールで足を止める。まだ15時。他のMRは少ない。早く来すぎたかなと思って、欠伸をしていると、カンファレンスルームの方から出て来た沢野先生と目が合った。
「大きな欠伸ですね。夜更かしですか?」
沢野先生が笑顔で話しかけて来た。
「ええ。ゲームを夜遅くまでしていまして……」
欠伸するのを見られた恥ずかしさで、顔を伏せながら私は答えた。
「へえ、鈴木さんはゲームをするんですね。意外だな」
沢野先生は面白い発見をしたように目を見開いて言った。
「ちょっと教授に用事があるのですが、その後久しぶりにエクサシールの話を聞こうかな」
沢野先生のこういうやさしさには頭が下がる。
「いいのですか? ではお待ちしてます」