MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「鈴木、今日の香水、なんだろう。甘いけどお香のような香り」
「鼻いいね。ゲランのサムサラっての付けてる。サンダルウッドがお香みたいに香るのかな」
「落ち着く大人の香り」
「ありがとう」
鈴木の運転は丁寧で乗り心地が良かった。
「鈴木、運転上手いね」
「上手くはないよ。でも、運転するのは好きかな」
大学病院のあるところは市街地なので、お店に行くには少し先の光の群れを目指して走ることになる。
「ねえ、鈴木、彼女いるのに、私とご飯一緒に食べて大丈夫なの?」
鈴木はちらりと私の方を見て、
「食事は同僚とも行くでしょ。ただ、お酒は二人で飲むのはダメって約束がある。それに……」
「それに?」
「いや、なんでも」
「まあ、それなら大丈夫か。二人とも車だし、お酒は飲まないから」
話しているうちに、鈴木は中華料理屋のようなそれでいて微妙に違うような店に入った。