MR(医薬情報担当者)だって恋します!


「理緒は家を出て良かったな。大学にいた時よりいい顔してるよ」
「そうかな? ……でも、そうかも。大学の時が一番家にいるのきつかったから」
「うん。お母さんとお兄さんと離れて正解だったと俺は思うよ」

 私としろの会話を鈴木は黙って聞いているようだった。

「仕事はどうだ? 慣れて来た?」
「うーん。慣れたといえば慣れたのかな? 苦戦はしてるけど」
「鈴木、見ていて痛々しいほど頑張ってるから、気を抜けってこの前話したところだったんですよ」

 鈴木が会話に加わった。

「あー、そうなんですね。大学のときもそうでした。自己肯定感が低いので、それを埋めるために頑張ってしまうんですよね、理緒は」

 私は何も言えなくなってしまう。

「鈴木さん、理緒にやり過ぎないよう声かけてやってくださいね」
「まあ、体壊したら元も子もないですからね」

 二人は意気投合したらしかった。
 地下鉄を降りて、地上に出ると太陽の眩しい光が目に飛び込んでくる。

「ちょっと暑いけど、雨じゃなくて良かったね」

 私の言葉に二人は頷いた。

「さー、動植物園行こう!」
< 93 / 238 >

この作品をシェア

pagetop