MR(医薬情報担当者)だって恋します!
「変な鈴木。ごめんね、しろ」
しろは水を一口飲んだ。氷がカランと音を立てる。
「鈴木さんは、理緒が好きなんじゃないか?」
私はしろの言葉に、
「私としろだって恋愛感情はないんだから、なんでもそっちに持ってったらダメだよ」
と笑って答える。
「鈴木には彼女がいるし」
「そうなのか? ……だったら余計に良くないな。鈴木さんには注意した方がいいと思う」
「……なんで? しろ、鈴木のこと気に入らなかった?」
「うーん。気に入らないんじゃないよ。好青年だと思う。でも、理緒が絡むとまた別」
「しろは過保護ね」
「そうかもな」
私たちは鰻屋を出て、城跡へ向かった。
「大きな石垣だな」
「これを積むの大変だっただろうね」
ごつごつとした大きな石垣に私は触れる。堀には蓮が大きなピンク色の花を咲かせていた。
石の階段を上ると案外高いところまで続いていて、蓮の花を見下ろせる。
私としろは石でできたベンチに腰掛けた。
「しろは今回、彼女のことを言いに来たんだね。いつも大事なことは直接言ってくれるから」
しろは頷いた。
「私も早く相手見つけないとなあ。スピーチしてもらえない。でも好きになった人はいたんだよ? 失恋したけど」
「理緒のことだから、また年上に不毛な恋心を抱いたんじゃないのか?」
「当たり!」