並んで歩くなら、あなたと
 翌日の部活は、届いた苗を植えていくことになっていた。

 授業の後に中庭に行くと、藤也がパシパシと手を叩いた。


「ゴールデンウィークも終わったし、今日から一年生も本格的に参加してもらいます。まずは担当になる場所を決めたから発表するぞ」


 ……そうか、今までは本格的な参加じゃなかったんだ。

 私と桔花と蓮乃は、普通に先輩たちに交じって作業していたから、今さらって感じだ。


「花菜は世菜と一緒に裏門担当な。四月もゴールデンウィーク中も一緒にやってたし、引き続きよろしく」

「はーい。世菜先輩、私、今まで裏門担当じゃなかったらしいですよ」

「そうみたいだね。いつも一緒にいたから、すっかり担当だと思ってた」

「私もです。今後ともよろしくお願いします」

「こちらこそ」


 世菜先輩がニコッと微笑んだ。

 先輩となら、まあ大丈夫だろう。


「部長から由紀《ゆき》さんと一緒でいいか聞かれて、勝手にいいって答えちゃったけど大丈夫だった?」

「全然大丈夫」


 なぜか世菜先輩が困ったような顔をした。

 なにか大丈夫じゃないことでもあるんだろうか。


「どうしたんですか」

「えっと、俺はいいけど、君は俺と裏門担当で嫌じゃないかなって」

「なんで? 私、先輩のこと嫌だって思ったことないですよ」


 鈍くさいし、ちゃんと片付けしないし、ぼんやりしてるし、集中しすぎて周りが見えていないことも多いけど、別に嫌いではない。

 最近はあまり散らかさなくなったし、先輩がぼんやりしていたら私が声をかければいいだけのことだ。


「あ、そうなんだ……?」


 今度は顔を赤くして慌てだした。なんだこの人、情緒不安定だな。


「先輩は、私とだと嫌ですか? うるさいし、横暴だし」

「そんなこと、思ったことないよ! えっと、花菜ちゃんが一緒で、嬉しいです」

「ならよかった。苗運んじゃいましょう」

「うん……!」


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