並んで歩くなら、あなたと

06.濡れた子犬のような顔が、私を見つけて笑顔になった

 ゴールデンウィークが明けると、一年生も水やりがある。

 いつもどおりの時間に起きて、おじいちゃんと畑の水やりをして朝ごはんを食べて、すぐに家を出た。


「今朝は早いな」


 自転車に跨ったところで、市場から帰ってきたパパと会った。


「今日から部活の朝の水やりがあるんだ。だから、うちの畑の水やりはしたけど、花の確認はできてないよ」

「部活があるなら、別に水やりしなくていいけど」

「するよ。私、畑の世話好きだもん。部活は部活。家は家」

「そうかよ。気をつけて行ってこい。あ、晩飯何がいい?」


 パパはずいぶん機嫌がいいみたい。

 機嫌がいいときだけ、晩飯を私や柚希(ゆずき)の好きなものにさせてくれる。

 そう言うと子どもっぽいみたいだけど、パパは昔からママの作るごはんだけは譲らないんだ。


「えっとねえ、オムライス。ケチャップの、卵が薄くてくるって巻いてあるやつ」

「わかった。ママに伝えておく。行ってらっしゃい」

「いってきまーす」


 パパに手を振って自転車を漕ぎ出した。
< 18 / 49 >

この作品をシェア

pagetop