並んで歩くなら、あなたと
「彼氏か?」
「違うけど」
私のスマホに、世菜先輩から延々と写真が送られてきているのを見て、桃が呆れた声を出した。
昼前には沖縄に着いたみたいで、那覇空港の花壇の写真やお土産物屋さんの写真が送られてきていた。
それに混じって世菜先輩が飛行機でうたた寝をしている写真もあった。
……同じ班だという女子二人にぴったり挟まれて、『寝てたら撮られてた』っていう間の抜けたコメント付きで。
いりませんけど、そんな写真!
そんな感じで、夕方まで延々とハイビスカスやアジサイ、プルメリアなんかの写真と、たまに昼ごはんのソーキそばとか海や、先輩が花を撮っている写真が送られてきた。
***
「……あのさ、桃」
「う、うん」
帰りのホームルームが終わって、部活に行く前に、私は桃にスマホを見せた。
そこには、森の中でポカンとした顔で大木を見上げる先輩が写っている。相変わらず、両脇に女の子がべったりとくっついていた。
「先輩が写ってる写真が、女子とばっかなんだけど、これはどういうつもりで送ってきてるのかな」
「……んー、ヤキモチ焼かせたいとか?」
「私、先輩の彼女とかじゃないですけど」
「本人に聞いてみれば?」
「聞いて、ヤキモチとか嫉妬とか思われてもムカつく」
「ヤキモチそのものだと思うけど……でも、んー、そういう試し行為するような人には見えなかったけどなあ」
桃は苦笑してスマホを私に返した。
たしかに桃の言うとおりで、試し行為をするような人だとは思わない。逆になんにも考えてない可能性は普通にある。
……面倒な人だなあ、もう。
「ワンチャン嫌がらせの可能性もある」
「先輩から?」
「いや、その同じ班の女子から」
「ウザ……」
そういう恋愛のいざこざ、面倒すぎる。
もう中学までで十分に巻き込まれてきたのに、高校になってもまだ続くのかと、考えるのが面倒になったから、椅子から立ち上がった。
「……部活行くか」
「それがいいよ。私もそろそろ行かなきゃ」
桃も頷いて立ち上がった。
「バイト?」
「うん。今日はカラオケ屋。花菜も今度おいでよ。割引券あげるから」
「ありがと。じゃあパパと藤乃くん誘おっと」
パパはカラオケがうまい。たまに嫌がる藤乃くんや藤也と行くけど、パパはかっこよくてびっくりする。藤也は普通で、藤乃くんは下手だ。
「そこは先輩といきなよ」
「先輩はクラスの女子とでも行けばいい」
「やっぱりヤキモチ焼きまくってるじゃん」
桃と一緒に昇降口の外まで行って、別れて中庭に向かった。
裏門で水やりをしていたら、また先輩から写真が送られてきた。
今度は、公園と空と海の写真だ。
『風が気持ちいいよ』
と書かれている。
私もホースで水をまいて虹を作って、花と一緒に撮って送り返した。
返事はすぐに来て、
『沖縄、思ったよりもきれいだし花もたくさん咲いてて楽しいから、花菜ちゃんと来たかった』
「なにそれ」
自分は同じクラスの女子と楽しく回ってるくせに。
モヤっとしたから、返事をしないままスマホをポケットに入れて、水やりの続きをした。
***
「違うけど」
私のスマホに、世菜先輩から延々と写真が送られてきているのを見て、桃が呆れた声を出した。
昼前には沖縄に着いたみたいで、那覇空港の花壇の写真やお土産物屋さんの写真が送られてきていた。
それに混じって世菜先輩が飛行機でうたた寝をしている写真もあった。
……同じ班だという女子二人にぴったり挟まれて、『寝てたら撮られてた』っていう間の抜けたコメント付きで。
いりませんけど、そんな写真!
そんな感じで、夕方まで延々とハイビスカスやアジサイ、プルメリアなんかの写真と、たまに昼ごはんのソーキそばとか海や、先輩が花を撮っている写真が送られてきた。
***
「……あのさ、桃」
「う、うん」
帰りのホームルームが終わって、部活に行く前に、私は桃にスマホを見せた。
そこには、森の中でポカンとした顔で大木を見上げる先輩が写っている。相変わらず、両脇に女の子がべったりとくっついていた。
「先輩が写ってる写真が、女子とばっかなんだけど、これはどういうつもりで送ってきてるのかな」
「……んー、ヤキモチ焼かせたいとか?」
「私、先輩の彼女とかじゃないですけど」
「本人に聞いてみれば?」
「聞いて、ヤキモチとか嫉妬とか思われてもムカつく」
「ヤキモチそのものだと思うけど……でも、んー、そういう試し行為するような人には見えなかったけどなあ」
桃は苦笑してスマホを私に返した。
たしかに桃の言うとおりで、試し行為をするような人だとは思わない。逆になんにも考えてない可能性は普通にある。
……面倒な人だなあ、もう。
「ワンチャン嫌がらせの可能性もある」
「先輩から?」
「いや、その同じ班の女子から」
「ウザ……」
そういう恋愛のいざこざ、面倒すぎる。
もう中学までで十分に巻き込まれてきたのに、高校になってもまだ続くのかと、考えるのが面倒になったから、椅子から立ち上がった。
「……部活行くか」
「それがいいよ。私もそろそろ行かなきゃ」
桃も頷いて立ち上がった。
「バイト?」
「うん。今日はカラオケ屋。花菜も今度おいでよ。割引券あげるから」
「ありがと。じゃあパパと藤乃くん誘おっと」
パパはカラオケがうまい。たまに嫌がる藤乃くんや藤也と行くけど、パパはかっこよくてびっくりする。藤也は普通で、藤乃くんは下手だ。
「そこは先輩といきなよ」
「先輩はクラスの女子とでも行けばいい」
「やっぱりヤキモチ焼きまくってるじゃん」
桃と一緒に昇降口の外まで行って、別れて中庭に向かった。
裏門で水やりをしていたら、また先輩から写真が送られてきた。
今度は、公園と空と海の写真だ。
『風が気持ちいいよ』
と書かれている。
私もホースで水をまいて虹を作って、花と一緒に撮って送り返した。
返事はすぐに来て、
『沖縄、思ったよりもきれいだし花もたくさん咲いてて楽しいから、花菜ちゃんと来たかった』
「なにそれ」
自分は同じクラスの女子と楽しく回ってるくせに。
モヤっとしたから、返事をしないままスマホをポケットに入れて、水やりの続きをした。
***