並んで歩くなら、あなたと
 世菜先輩は修学旅行中、ずっと写真を送ってきていた。

 二日目からは景色や花、動物ばかり送ってきている。

 たまに大きさを比べるために先輩の手が入っていることもあるけど、やたらと控えめで、ちょっと言い過ぎたかなって反省した。別に先輩が写っている写真が送られてきたっていい。そこに他人の思惑や悪意が乗っかってくるのが気持ち悪いだけだ。

 通知があまりにうるさいから、もう先輩とのトークルームは通知を切ったし、写真も多すぎて見られないから、アルバムを作ってそこに全部入れるように言ってあった。


『マナティでっかい!』

『ウミガメいた』

『お土産にマナティとウミガメならどっちがいい?』

『一メートルくらいのぬいぐるみ買って帰っていい?』

『花菜ちゃん、アレルギーとか嫌いなお菓子ある?』


 そういうメッセージがこの数日間で溜まっていて、なんかもう、本当にめんどくさくてしょうがない人だ。



 最終日は土曜日で、先輩は相変わらず朝からあれこれ送ってきている。朝ごはんや、バスから見えた海、モノレールに海鳥、空港のお土産物屋さん。

 私はスマホをベッドに置きっぱなしにして、畑の水やりと花の様子を見に行く。

 朝ごはんを終えたらパパが市場から帰ってきたので報告して、それからやっとスマホを拾い上げた。

 部屋の窓を開けて、畑とパパの遠目からでも広い背中の写真を撮る。


「おはようございます。学校行ってきます」


 今撮った写真にそう添えて送って、家を出た。


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