並んで歩くなら、あなたと
 中庭に戻ると、黄乃(きの)先輩と(みどり)先輩が倉庫の片付けをしていた。


由紀(ゆき)ちゃん、告白うまくいった?」

「ばっちりです」

坂木(さかき)は生き返った?」

「おかげさまで」


 ホースとショベルを片付けて帰ろうとしたら、部長が弱々しい声を上げていた。


「由紀さーん、助けてー」

「なんですか?」


 見に行ったら、部長がまだベンチで桔花(きっか)蓮乃(はすの)に挟まれて、愚痴を聞かされ続けていた。


「あ、花菜だ。助けなくていいよ」

「部長の失言ポイントカードが満タンになったから」

「なにそれ」

「言っていいですか、部長?」

「どの失言バラしていいですか、部長?」

「だ、だめ」


 いったい何をやらかして、桔花と蓮乃をここまで怒らせたんだろう。

 ちょっと可哀想だから、写真を撮って藤也(とうや)に送っておく。これできっと助けが来るだろう。いつになるかはわからないけど。


「花菜、坂木先輩といい感じ?」

「いい感じ」

「ねえ、部長。私たちだって、いい感じじゃない男の子のことなんか、よしよししたくないんですよ」

「悪かったって!」

「よしよししてほしかったら、もうちょい言うことあるんじゃないですか?」

「ねえねえ、部長。私たちに、言うことあるんじゃないですか?」

「だー、ごめんってば! なんだよ、坂木みたいに手えつないで甘えればいいわけ!?」


 ……双子がすっごい悪い顔をして、部長がだらだら汗をかいていた。

 私は三人の誰かと目が合う前に、世菜先輩の手を引っ張って自転車置き場に向かった。
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