離れた後の恋の仕方
大学に入学して半年以上が過ぎ、荒木とも学食と講義以外で図書室で会ったり、テニスのサークルで会う機会が増えてきた。
増えてきたというよりも増やしているのが正しくて、1秒でも荒木と長くいられるように動いている自分に笑う。
今日は本を作るサークルの下準備で、もう少しで環境が整いそうだ。サークルといっても卒業後の仕事に活かしたいから本屋や図書室で経営や自営、経理の本を沢山読んで実際に動いてみて、改善が必要な所はどんどん直して、自分が創りたい本を形にしていくのが凄く楽しい。
大変な事もあるけれど、“好き”がそれを上書きしてくれるし、早く形にしたいな。
図書室の隅っこの場所に来て、このテーブルなら本をじっくりと読めそうで、印刷所の選び方について学ぼうとページを捲って黙読し、気になる箇所はルーズリーフに書いていく。
黙々と書いていって、次は別の参考にする本を探そうと席を立って、読み終わった本を本棚に返却して、ぶらぶらと広い図書室を徘徊していたら、本棚のかなり上の段にある本を一生懸命に背伸びしながら取ろうとする荒木の姿が見えた。
こんな所で会えるのってラッキ~、一生懸命に背伸びする姿がめちゃ可愛いなぁと口元が緩み、俺はすたすと歩いて荒木の背後に立って、左手で荒木の頭の上にポンっと置いて、右手で荒木が取ろうとしていた本をひょいっと抜き出す。
荒木は振り向いて、俺はひょいっと抜き出した本をはいって差し出すと荒木は受け取った。
「ありがとう」
「どーいたしまして」
荒木が持っている本は不動産関係の資格の本で、そういや実家が不動産屋って言っていたな。
「高坂君はここでどんな本を探していたの?」
「印刷関係だよ。創りたい本の印刷所をどうやって選んで、そこから値段交渉の仕方を学びたいんだ」
「そうなんだ。私は不動産関係の資格を取りたいから、それに向けて参考書を探してた」
「頑張っているね」
「うん」
2人で話していたらコホンと咳払いの声が聞こえ、ヤベっ、周りに人がいたのか。
「あっちの席で読もうよ」
「うん」
2人で小声で話をして、俺が使っているテーブル席まで行って、荒木は俺の対面の席に座り、お互い静かに本のページを捲りだす。
図書室の中は静寂でお互い無言でも全然苦しくなくて、この空気がとても居心地が良いし、前も講義室で2人っきりになっても違和感がなかったな。
すると荒木の手荷物のバックが揺れ、本人はバックからスマホを取り出して画面をタップすると表情が険しい。
俺は1枚のルーズリーフの所に『どうした?』と書いてスッと荒木に差し出すと、荒木もペンでサラサラと書いて俺に返す。
そこには『佐々木君が家の都合で私の弟の家庭教師に行けないんだって』と書いてあり、そういや前もあったなぁと思い出した。
あの時は2人の親密さに嫉妬しちゃって荒木に嫌な態度をとったけど、今は荒木との仲をより深めるならこのチャンスを逃したくない。
確か今日はアルバイトは無いし、家に帰るよりも荒木とその家族の事をもっと知りたいと思い、ペンを握ってサラサラと書いて荒木にルーズリーフを差し出す。
『良かったら、教科にもよるけど家庭教師に立候補する』
『良いの?真ん中の弟なんだけど、数学を見て欲しい』
『任せてよ』
そうひと言を書いて荒木に渡すと、荒木はルーズリーフを読んで嬉しそうに微笑むから、その可愛い顔は反則だって。
荒木はまたサラサラと書いて俺に返す。
『弟に連絡するから、先に図書室を出るね』
俺はニコッと微笑んで頷くと、荒木は先に荷物を整理して図書室を先に出て行き、やった!少しでも荒木との仲が深められそうなチャンスが来て、凄く嬉しい。
俺も荷物を纏めて図書室を出ると荒木が廊下の隅で電話をしていて、俺は側に行って電話を終えるのを待つ。
「うん、そうー…、この後に家に行くから、あんたも遅れないでね」
通話を終えると荒木はスマホをバックにしまう。
「真ん中の弟さん?」
「そう。佐々木君が行けないって言ったら、『分かった』だけ」
「随分あっさりだね」
「そうよね。口数少ないし、私と末っ子の弟によく煩いって言うし」
「そうなんだ」
2人で校舎内を歩いて敷地内を出て、荒木の弟さんの家庭教師する為に初めて荒木の家に向かっていった。
増えてきたというよりも増やしているのが正しくて、1秒でも荒木と長くいられるように動いている自分に笑う。
今日は本を作るサークルの下準備で、もう少しで環境が整いそうだ。サークルといっても卒業後の仕事に活かしたいから本屋や図書室で経営や自営、経理の本を沢山読んで実際に動いてみて、改善が必要な所はどんどん直して、自分が創りたい本を形にしていくのが凄く楽しい。
大変な事もあるけれど、“好き”がそれを上書きしてくれるし、早く形にしたいな。
図書室の隅っこの場所に来て、このテーブルなら本をじっくりと読めそうで、印刷所の選び方について学ぼうとページを捲って黙読し、気になる箇所はルーズリーフに書いていく。
黙々と書いていって、次は別の参考にする本を探そうと席を立って、読み終わった本を本棚に返却して、ぶらぶらと広い図書室を徘徊していたら、本棚のかなり上の段にある本を一生懸命に背伸びしながら取ろうとする荒木の姿が見えた。
こんな所で会えるのってラッキ~、一生懸命に背伸びする姿がめちゃ可愛いなぁと口元が緩み、俺はすたすと歩いて荒木の背後に立って、左手で荒木の頭の上にポンっと置いて、右手で荒木が取ろうとしていた本をひょいっと抜き出す。
荒木は振り向いて、俺はひょいっと抜き出した本をはいって差し出すと荒木は受け取った。
「ありがとう」
「どーいたしまして」
荒木が持っている本は不動産関係の資格の本で、そういや実家が不動産屋って言っていたな。
「高坂君はここでどんな本を探していたの?」
「印刷関係だよ。創りたい本の印刷所をどうやって選んで、そこから値段交渉の仕方を学びたいんだ」
「そうなんだ。私は不動産関係の資格を取りたいから、それに向けて参考書を探してた」
「頑張っているね」
「うん」
2人で話していたらコホンと咳払いの声が聞こえ、ヤベっ、周りに人がいたのか。
「あっちの席で読もうよ」
「うん」
2人で小声で話をして、俺が使っているテーブル席まで行って、荒木は俺の対面の席に座り、お互い静かに本のページを捲りだす。
図書室の中は静寂でお互い無言でも全然苦しくなくて、この空気がとても居心地が良いし、前も講義室で2人っきりになっても違和感がなかったな。
すると荒木の手荷物のバックが揺れ、本人はバックからスマホを取り出して画面をタップすると表情が険しい。
俺は1枚のルーズリーフの所に『どうした?』と書いてスッと荒木に差し出すと、荒木もペンでサラサラと書いて俺に返す。
そこには『佐々木君が家の都合で私の弟の家庭教師に行けないんだって』と書いてあり、そういや前もあったなぁと思い出した。
あの時は2人の親密さに嫉妬しちゃって荒木に嫌な態度をとったけど、今は荒木との仲をより深めるならこのチャンスを逃したくない。
確か今日はアルバイトは無いし、家に帰るよりも荒木とその家族の事をもっと知りたいと思い、ペンを握ってサラサラと書いて荒木にルーズリーフを差し出す。
『良かったら、教科にもよるけど家庭教師に立候補する』
『良いの?真ん中の弟なんだけど、数学を見て欲しい』
『任せてよ』
そうひと言を書いて荒木に渡すと、荒木はルーズリーフを読んで嬉しそうに微笑むから、その可愛い顔は反則だって。
荒木はまたサラサラと書いて俺に返す。
『弟に連絡するから、先に図書室を出るね』
俺はニコッと微笑んで頷くと、荒木は先に荷物を整理して図書室を先に出て行き、やった!少しでも荒木との仲が深められそうなチャンスが来て、凄く嬉しい。
俺も荷物を纏めて図書室を出ると荒木が廊下の隅で電話をしていて、俺は側に行って電話を終えるのを待つ。
「うん、そうー…、この後に家に行くから、あんたも遅れないでね」
通話を終えると荒木はスマホをバックにしまう。
「真ん中の弟さん?」
「そう。佐々木君が行けないって言ったら、『分かった』だけ」
「随分あっさりだね」
「そうよね。口数少ないし、私と末っ子の弟によく煩いって言うし」
「そうなんだ」
2人で校舎内を歩いて敷地内を出て、荒木の弟さんの家庭教師する為に初めて荒木の家に向かっていった。