離れた後の恋の仕方
「そろそろ帰る。美味しいご飯をありがと」
「途中まで送るわ」
「夜道は危ないから家にいて。俺、大学生だよ?」
荒木の申し出を断るのは当然で、気になる子が俺の送ったあとで誰かに何かされたら嫌だ。
「俺が駅まで付き添う」
仁君が席を立ってドアを開けて先に出て行き、俺も自分の荷物を纏めた。
「三斗君も美味しいオムライスをありがとう」
「どーいたしまして。佐々木の兄ちゃんより教え方が上手だね」
「そう?もっと褒めてくれると、高坂の兄ちゃんは嬉しいな」
「はぁ?兄ちゃん呼びは俺が決めるし、塩を撒くぞ」
おっと調子に乗ってしまったけど、三斗君の表情は嫌そうじゃない。
「今日は代理で仁の勉強を見てくれてありがとう」
「どーいたしまして。カフェラテの約束は忘れないでね。また大学で」
「うん、またね」
リビングを出て、荒木のお父さんに挨拶して外に出ると仁君が待っていた。
「見送り、ありがと」
「別に」
ほんとあっさりだなぁ。2人で南◯駅に向かう為に歩き出し、今日は荒木の家族達を知れて良かった。
「高坂さんは教師に向いている」
「そうかな?俺、自分の親父が出版社に勤めていてさ、ゆくゆくは自分で出版社を創りたいって言ってて、俺も読むのは好きだけど俺が届けたい言葉を書いた本を創りたいんだ」
「作家ってこと?」
「うーん、実は大学のサークルで本を作るサークルを準備中で、どの分野で攻めようかなって考え中で作家では無いかも」
「作家じゃなかったら、好きな物を伝えてみれば?」
仁君がそう言うと、好きな物か…、読んだ本の紹介も違う、テニスが好きだし、試合も観に行くのもあるし、よし!方向性が見えてきた。
「方向性が見えてきたよ。本当にありがとね。出来たら読ませるよ」
「わkー…、楽しみにしてる」
わかった以外の言葉で言い直すの、真面目だね。
「今度仁君の好きな事や物を教えてよ」
「…………仁が良い」
「え?」
「君付けじゃなくて、仁って呼んで」
「そっか…、じゃあ、仁って呼ぶよ。俺の事は稔で。これなら対等でしょ?」
「ああ」
お互いフッと笑っていたら、向こうから佐々木が歩いてきたのが分かって、俺達と距離が近くになると佐々木がピタっと止まった。
「高坂がどうして仁君と一緒に?」
「稔が佐々木さんの代わりに家庭教師で見てくれた。今はその見送り」
仁が説明すると佐々木は眉をピクっとさせるけど、そっち都合でキャンセルになっているんだし、そんな顔をされてもな。
それに仁が早速俺のことを稔って言うのは嬉しいね。
「ということで、電車の都合が迫っているからじゃあな。仁、行こうよ」
「ああ。佐々木さんも、また」
「また…」
俺達は佐々木の横を通って行き、南◯駅に向かい出した。
「俺の好きな物、野球と読書」
「良いね。野球って攻守それぞれ見どころもあるし、やるのも凄いじゃん」
「父さんが三斗と一緒に身体を動かせって事でやっているけど、三斗は料理に進みたいから俺だけやっている」
仁がそこから自分の事を話してくれて、それだけでも嬉しいな。
南◯駅が見えてきて、改札前で見送られ、電車を乗り継いで自宅に帰った。
リビングに行くとお手伝いの林さんが夕飯の準備をしていて、しまった、連絡するの忘れてたと反省し、俺は荷物をソファに置いて林さんの所に行く。
「おかえりなさい」
「ただいま。連絡してなくてご免なさい。夕飯、大学の同級生の弟の家庭教師の代理でお邪魔して、食事もそこで頂いた」
「あら?それでしたら明日の朝食に回せますから、冷蔵庫に入れますね」
「本当にご免。明日からはきちんと食事の有無を早く伝える」
「お気になさらず、大丈夫ですよ」
林さんは優しく微笑んでくれる。
「稔さんが家庭教師って初めてじゃないですか?」
「そうなんだ。大学で知り合った子なんだけどー…、って言う経緯で真ん中の弟の勉強をみたんだ。で、お礼にさスープを作ってくれて、嬉しかった」
俺が今日の事を話をしていると、林さんはとても嬉しそうにしながら聞いてくれる。
「俺って喋り過ぎかな?」
「いいえ、その大学の同級生の方をお話をする時の稔さんの表情、とても良いですよ」
「そうなの?」
「ええ。初めて見ましたけど、その方のことを“凄く大切”に想われているんだなって」
「そっか…」
“凄く大切”か…、うん、そう想う気持ちは荒木が初めてで、きっとこの気持ちなんだろうな。でも幼馴染みの佐々木の存在があるから、少しは手こずるかも。
「ライバルでさ、幼馴染みの腐れ縁の男がいるんだよ」
「あら?腐れ縁でもお付き合いが無いのでしたら、稔さんがガンガンに行かないと」
「やっぱ、そう思う?」
「ええ。何処で恋に落ちるか分からないですし、ぐずぐずしていたらその幼馴染みに取られますよ?」
「それは絶対に嫌だ」
「でしょ?イケイケドンドンです」
「俺、林さんと恋バナするとは思わなかったけど、ありがとう。今度美味しいカフェラテのお店でデートするから、頑張ってくる」
「応援しますよ!」
お互いニカッと微笑み、この日はとても充実感がいっぱいの日になった。
「途中まで送るわ」
「夜道は危ないから家にいて。俺、大学生だよ?」
荒木の申し出を断るのは当然で、気になる子が俺の送ったあとで誰かに何かされたら嫌だ。
「俺が駅まで付き添う」
仁君が席を立ってドアを開けて先に出て行き、俺も自分の荷物を纏めた。
「三斗君も美味しいオムライスをありがとう」
「どーいたしまして。佐々木の兄ちゃんより教え方が上手だね」
「そう?もっと褒めてくれると、高坂の兄ちゃんは嬉しいな」
「はぁ?兄ちゃん呼びは俺が決めるし、塩を撒くぞ」
おっと調子に乗ってしまったけど、三斗君の表情は嫌そうじゃない。
「今日は代理で仁の勉強を見てくれてありがとう」
「どーいたしまして。カフェラテの約束は忘れないでね。また大学で」
「うん、またね」
リビングを出て、荒木のお父さんに挨拶して外に出ると仁君が待っていた。
「見送り、ありがと」
「別に」
ほんとあっさりだなぁ。2人で南◯駅に向かう為に歩き出し、今日は荒木の家族達を知れて良かった。
「高坂さんは教師に向いている」
「そうかな?俺、自分の親父が出版社に勤めていてさ、ゆくゆくは自分で出版社を創りたいって言ってて、俺も読むのは好きだけど俺が届けたい言葉を書いた本を創りたいんだ」
「作家ってこと?」
「うーん、実は大学のサークルで本を作るサークルを準備中で、どの分野で攻めようかなって考え中で作家では無いかも」
「作家じゃなかったら、好きな物を伝えてみれば?」
仁君がそう言うと、好きな物か…、読んだ本の紹介も違う、テニスが好きだし、試合も観に行くのもあるし、よし!方向性が見えてきた。
「方向性が見えてきたよ。本当にありがとね。出来たら読ませるよ」
「わkー…、楽しみにしてる」
わかった以外の言葉で言い直すの、真面目だね。
「今度仁君の好きな事や物を教えてよ」
「…………仁が良い」
「え?」
「君付けじゃなくて、仁って呼んで」
「そっか…、じゃあ、仁って呼ぶよ。俺の事は稔で。これなら対等でしょ?」
「ああ」
お互いフッと笑っていたら、向こうから佐々木が歩いてきたのが分かって、俺達と距離が近くになると佐々木がピタっと止まった。
「高坂がどうして仁君と一緒に?」
「稔が佐々木さんの代わりに家庭教師で見てくれた。今はその見送り」
仁が説明すると佐々木は眉をピクっとさせるけど、そっち都合でキャンセルになっているんだし、そんな顔をされてもな。
それに仁が早速俺のことを稔って言うのは嬉しいね。
「ということで、電車の都合が迫っているからじゃあな。仁、行こうよ」
「ああ。佐々木さんも、また」
「また…」
俺達は佐々木の横を通って行き、南◯駅に向かい出した。
「俺の好きな物、野球と読書」
「良いね。野球って攻守それぞれ見どころもあるし、やるのも凄いじゃん」
「父さんが三斗と一緒に身体を動かせって事でやっているけど、三斗は料理に進みたいから俺だけやっている」
仁がそこから自分の事を話してくれて、それだけでも嬉しいな。
南◯駅が見えてきて、改札前で見送られ、電車を乗り継いで自宅に帰った。
リビングに行くとお手伝いの林さんが夕飯の準備をしていて、しまった、連絡するの忘れてたと反省し、俺は荷物をソファに置いて林さんの所に行く。
「おかえりなさい」
「ただいま。連絡してなくてご免なさい。夕飯、大学の同級生の弟の家庭教師の代理でお邪魔して、食事もそこで頂いた」
「あら?それでしたら明日の朝食に回せますから、冷蔵庫に入れますね」
「本当にご免。明日からはきちんと食事の有無を早く伝える」
「お気になさらず、大丈夫ですよ」
林さんは優しく微笑んでくれる。
「稔さんが家庭教師って初めてじゃないですか?」
「そうなんだ。大学で知り合った子なんだけどー…、って言う経緯で真ん中の弟の勉強をみたんだ。で、お礼にさスープを作ってくれて、嬉しかった」
俺が今日の事を話をしていると、林さんはとても嬉しそうにしながら聞いてくれる。
「俺って喋り過ぎかな?」
「いいえ、その大学の同級生の方をお話をする時の稔さんの表情、とても良いですよ」
「そうなの?」
「ええ。初めて見ましたけど、その方のことを“凄く大切”に想われているんだなって」
「そっか…」
“凄く大切”か…、うん、そう想う気持ちは荒木が初めてで、きっとこの気持ちなんだろうな。でも幼馴染みの佐々木の存在があるから、少しは手こずるかも。
「ライバルでさ、幼馴染みの腐れ縁の男がいるんだよ」
「あら?腐れ縁でもお付き合いが無いのでしたら、稔さんがガンガンに行かないと」
「やっぱ、そう思う?」
「ええ。何処で恋に落ちるか分からないですし、ぐずぐずしていたらその幼馴染みに取られますよ?」
「それは絶対に嫌だ」
「でしょ?イケイケドンドンです」
「俺、林さんと恋バナするとは思わなかったけど、ありがとう。今度美味しいカフェラテのお店でデートするから、頑張ってくる」
「応援しますよ!」
お互いニカッと微笑み、この日はとても充実感がいっぱいの日になった。