離れた後の恋の仕方
◆5年ぶりのデート
一美と5年ぶりのデートを実行する為にはスケジュールの確認をしっかりしなきゃと手帳を広げてにらめっこし、うーん、翌週の水曜日なら時間を確保が出来そうで、早速一美にスマホのメッセージで予定を相談する。

荒木不動産屋は水曜日が定休日になっているから、その方が一美もどうだろうか。

『来週の水曜日、とびっきり美味しいカフェラテを飲みに行かない?』

電話でなら直ぐに話せるけど、もしかしたら家族といたり仕事中の場合もあるかもしれないから、こうしたスマホのメッセージは便利だ。

まだ既読がつかないのは仕方ないのでベットの上にスマホを放り投げて、幾つかある本棚の側に行き、ここの1つに3雑誌の創刊号から最新までの雑誌を入れていて、俺の超お気に入りの棚である。

最新である5月号の『Focus』を手に取ってベットに腰掛けて、姫川と九条ちゃんが丹念に街歩きをして取り上げた地域をじっくり読んだ。

姫川の『この街を歩きたい』というのを形にするのはとても良いことで、取り上げた地域からお礼の手紙も来ていて、九条ちゃんが異動してくるまではこれを1人で手がけていて、凄いよな。

1枚1枚ページを捲り、お、この写真の風景も良いし、文章といいカメラといい、姫川の実力は流石だね。

とびっきり美味しいカフェラテの後はどう過ごすか、三斗の店に連れて行くのはちょっとな。アルコールが入ったままで一美と話すのは嫌だし、5年ぶりだし、会えなかった分を上書きするからお散歩デートか、夜景の見える場所までドライブとか?ドライブもなぁ、こいつ気合い入りすぎだと思われるかも。

パラパラと捲り、お、ここの場所ならカフェラテのお店から近いし、一美も気に入ってくれたら嬉しい。

するとベットに放り投げたスマホが揺れたのでバッと手に取り、画面をタップすると一美からスマホのメッセージを受信していたので、それだけで口元がニヤける。

指でメッセージのアイコンをタップすると『良いわよ』と短めな返事が来て、良かった。この前は都合がつかなくて実現が出来なかったけど、今回は大丈夫そうだ。

ベットから立ってクローゼットを開け、仕事終わりに会うからスーツは皺がつきにくい生地にして、ネクタイはこの色で、考えるだけで楽しい自分がいる。

そうだ、返事をしなきゃ。

『ありがとう。仕事終わりになるから、待ち合わせ時間は19時からでも良いかな?』
『それで大丈夫よ。場所は何処で待ち合わせする?』
『カフェラテのお店の最寄り駅である△駅の改札前で』
『分かった。着いたら連絡するわ』
『おう』

一美とのやり取りを終えて、明日から約束までの1週間は頑張れそうだ。
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