離れた後の恋の仕方
一美と初めてデートしたとびっきり美味しいカフェラテのお店を出て、一美はとても満足気な表情をしているけど、まだまだあるんだよね。
「この後さ、行きたい場所があって、良い?」
「良いわよ。どんな所に行くの?」
「着いてからのお楽しみ。あっちに行くよ」
先に言うのもありだけど、あえて言わずにし、俺が行きたい方向へ指を指して、一緒に歩き出した。
「仁って最近の仕事はどうなの?」
「相変わらず真面目に仕事をしているよ」
「そうなんだ。普段から自分の事は話さないし、別々に暮らしてるからたまに三斗経由で聞くけど、それでも話しは少ないんだって」
「高校生から変わんないな」
2人で仁の話題で盛り上がり、そろそろお目当ての場所に着いた。
「ここの場所、一美と来たかったんだ」
「綺麗…」
俺達の目の前にはランタンが所々に浮かんでいて、温かみのある灯りが道を照らしていて、『Focus』のページにこのライトアップの情報があったから一美と来たかった。
約2キロぐらいある一本道に浮かぶランタンの其々の形は不揃いで、並んで歩き出し、一美は所々で立ち止まりながらスマホで撮影をする。
「非日常感があって良いね」
「仕事終わりでも楽しめるのは良いよな」
「うん」
2人でランタンを見上げ、本当にこの景色が素晴らしくて、小説に出てくる『時間が止まればいい』という言葉が浮かぶくらいだ。
俺は左手で一美の手を握ると、一美は最初はビクッとした反応だったけど手は振りほどくことは無くて、お互い手をギュッと握って歩き出す。
「こうして歩くの、久しぶりね」
「ああ。大学の時なんて、どうやって握ろうか歩きながら考えてたら、緊張しすぎて握られずに終わった時もあった」
「そうなんだ。稔でも緊張するのね」
「男だって好きな人と手を繋ぐにはどうするか、悩む事があるんだって」
悩んだ事は本当で、初めて手を繋いだ日のときは嬉しすぎて寝付けなかったのは秘密にしておこう。
「次は何処に行きたい?」
「そうね、稔となら何処に行っても楽しいから迷う」
「嬉しい事を言ってくれちゃって。張り切って選ぶよ」
お互い微笑み、この笑顔をずっと引き出せる事が出来る様に次のデートの場所はどうするかを考えるだけでも嬉しい。
すると一美が前を見たままピタッと歩みを止めたので、俺も止まって前を見るとスーツ姿の男性が立っていて、向こうも一美を見て驚いている。
「………よぉ」
「………うん。ご免、今はこの人といるから。稔、行こう」
「ああ」
一美に手を引かれながらスーツ姿の男性の横を通過して歩くけど、2人の雰囲気的にもしかしてと思うけど、触れたらきっと一美は嫌がるし、そういう顔にさせたくない。
男性から大分離れて、ランタンの道は半分の距離まできて、俺達は会話もすることなく歩き続ける。
「………」
「………」
もう少しでランタンの道は終わりを迎えそうで、一美を最寄り駅まで見送ろうと決め、握っていた手をそっと離して一美の頭の上に手を置く。
「駅まで送るから、行こう」
「ありがと」
さっき迄は手を繋いでいたけれど、今は握ることはしなくて、ランタンの道が終わり、俺達は最寄り駅に向かった。
「とびっきり美味しいカフェラテのお店が続いていて良かったな」
俺はあえて今日の楽しい部分に触れる。
「………さっきの男性の事を聞かないの?」
「そんな顔をしているのに聞くのって、俺は馬鹿じゃないよ」
一美の顔はとびっきり美味しいカフェラテを飲んだ時よりも、キラキラとした瞳でランタンを見上げていた顔よりも暗くて、そこに踏み込まないようにしていたのにな。
「………そうね。ありがと」
「どーいたしまして」
俺はニコッと微笑むと一美も微笑み、やっぱこの顔が1番だな。
「今日はありがとう。楽しかったわ」
「俺もだよ。次はクッキーを食べに行こうよ」
「ええ、行きたい」
「一美の休みとか時間が分かったらいつでも連絡してよ」
「連絡する。またね」
一美が最寄り駅の改札に入って人混みの中に消えていったのを見届け、ふぅっと息を吐いた。
楽しい時間はあっという間で良い余韻に浸りたかったけど、あのスーツ姿の男性のご登場で気分が少し悪くなったな。
このまま帰っても煩い両親がいるだろうから、三斗のBarに行くか。
「この後さ、行きたい場所があって、良い?」
「良いわよ。どんな所に行くの?」
「着いてからのお楽しみ。あっちに行くよ」
先に言うのもありだけど、あえて言わずにし、俺が行きたい方向へ指を指して、一緒に歩き出した。
「仁って最近の仕事はどうなの?」
「相変わらず真面目に仕事をしているよ」
「そうなんだ。普段から自分の事は話さないし、別々に暮らしてるからたまに三斗経由で聞くけど、それでも話しは少ないんだって」
「高校生から変わんないな」
2人で仁の話題で盛り上がり、そろそろお目当ての場所に着いた。
「ここの場所、一美と来たかったんだ」
「綺麗…」
俺達の目の前にはランタンが所々に浮かんでいて、温かみのある灯りが道を照らしていて、『Focus』のページにこのライトアップの情報があったから一美と来たかった。
約2キロぐらいある一本道に浮かぶランタンの其々の形は不揃いで、並んで歩き出し、一美は所々で立ち止まりながらスマホで撮影をする。
「非日常感があって良いね」
「仕事終わりでも楽しめるのは良いよな」
「うん」
2人でランタンを見上げ、本当にこの景色が素晴らしくて、小説に出てくる『時間が止まればいい』という言葉が浮かぶくらいだ。
俺は左手で一美の手を握ると、一美は最初はビクッとした反応だったけど手は振りほどくことは無くて、お互い手をギュッと握って歩き出す。
「こうして歩くの、久しぶりね」
「ああ。大学の時なんて、どうやって握ろうか歩きながら考えてたら、緊張しすぎて握られずに終わった時もあった」
「そうなんだ。稔でも緊張するのね」
「男だって好きな人と手を繋ぐにはどうするか、悩む事があるんだって」
悩んだ事は本当で、初めて手を繋いだ日のときは嬉しすぎて寝付けなかったのは秘密にしておこう。
「次は何処に行きたい?」
「そうね、稔となら何処に行っても楽しいから迷う」
「嬉しい事を言ってくれちゃって。張り切って選ぶよ」
お互い微笑み、この笑顔をずっと引き出せる事が出来る様に次のデートの場所はどうするかを考えるだけでも嬉しい。
すると一美が前を見たままピタッと歩みを止めたので、俺も止まって前を見るとスーツ姿の男性が立っていて、向こうも一美を見て驚いている。
「………よぉ」
「………うん。ご免、今はこの人といるから。稔、行こう」
「ああ」
一美に手を引かれながらスーツ姿の男性の横を通過して歩くけど、2人の雰囲気的にもしかしてと思うけど、触れたらきっと一美は嫌がるし、そういう顔にさせたくない。
男性から大分離れて、ランタンの道は半分の距離まできて、俺達は会話もすることなく歩き続ける。
「………」
「………」
もう少しでランタンの道は終わりを迎えそうで、一美を最寄り駅まで見送ろうと決め、握っていた手をそっと離して一美の頭の上に手を置く。
「駅まで送るから、行こう」
「ありがと」
さっき迄は手を繋いでいたけれど、今は握ることはしなくて、ランタンの道が終わり、俺達は最寄り駅に向かった。
「とびっきり美味しいカフェラテのお店が続いていて良かったな」
俺はあえて今日の楽しい部分に触れる。
「………さっきの男性の事を聞かないの?」
「そんな顔をしているのに聞くのって、俺は馬鹿じゃないよ」
一美の顔はとびっきり美味しいカフェラテを飲んだ時よりも、キラキラとした瞳でランタンを見上げていた顔よりも暗くて、そこに踏み込まないようにしていたのにな。
「………そうね。ありがと」
「どーいたしまして」
俺はニコッと微笑むと一美も微笑み、やっぱこの顔が1番だな。
「今日はありがとう。楽しかったわ」
「俺もだよ。次はクッキーを食べに行こうよ」
「ええ、行きたい」
「一美の休みとか時間が分かったらいつでも連絡してよ」
「連絡する。またね」
一美が最寄り駅の改札に入って人混みの中に消えていったのを見届け、ふぅっと息を吐いた。
楽しい時間はあっという間で良い余韻に浸りたかったけど、あのスーツ姿の男性のご登場で気分が少し悪くなったな。
このまま帰っても煩い両親がいるだろうから、三斗のBarに行くか。