離れた後の恋の仕方
あ~あ、やっぱりと言うか、姫川と経理課のおっさんの言い合いの展開になったか。
「こっちは希望の部数を毎回言ってんのに、ねちっこく言うなよ」
「希望以上の結果を出しているんだったらこっちだって文句は無い!『Focus』は現状飛び抜けて結果を出しているとは言えんぞ!」
部数会議が開かれるも、おっさんは開口一番で結果について編集長3人組にねちっこく絡むし、姫川もおっさんも飽きないな。
会議に参加している経理課の中に木暮もいて俺と視線が合うと、お互い苦笑する。
「これ以上は纏まらないから、一旦頭を冷やすために会議は此処まで。ねぇ木暮、青木印刷所に部数の事を連絡するまで何日延ばせられる?」
「3日が限界です」
「オッケー。おっさんも姫川も頭を冷やせ。3日後に必ず決めるように。以上!」
俺はこれ以上進展しない空気が嫌でお開きにし、経理課のおっさんも苛つきながら会議室を出て行き、姫川は一度水瀬に任せ、仁は相変わらず発言はあまりしないでやり過ごしていたから、どうしたもんかね。
3日後に必ず部数を決めないとスケジュール的にきついし、青木印刷所に迷惑は掛けたくない。後で姫川の言い分を聞くとして、先ずはスポーツ部からだな。
俺はスポーツ部が使っている会議室に入り、ホワイトボードに貼られている6月号の記事の掲載内容をざっと確認し、仁にこれで行くのかと聞けば本人は青木印刷所に出すギリギリまで保留と言う。
内容的には良い感じだけど、順番によっては読者に興味を持たれないし、俺もスポーツ部にいた時も毎回掲載順でぶつかり合いながら決めていったっけ。
田所と佐藤も相変わらずバチバチになりながら掲載順について言い合い、スポーツ部もさっきの部数会議の空気みたいに『またか』みたいになっていて、こっちもか。
ふと可愛い部下の宝条さんと視線が合ったので、俺は彼女にこの掲載順をどうするか聞いてみると、本人は急なご指名に目が動揺していたけど、一生懸命考える姿が面白い。
「代表者がじゃんけんをして決める…とか?」
宝条さんのアイデアに仁以外が「え?!」と言う反応でいたけど、何それ、超面白い発想じゃん。
俺は超乗り気で進行し、田所と佐藤の1回勝負で決めることにすると2人は謎の気合いを込めるポーズをし、周囲の取材班は代表者にエールを送り合っていて、秋山は一眼カメラを手にしてこの雰囲気を撮影していて流石抜かりないね。
「最初はグー!じゃんけんー…」
「はぁ…」
俺の隣に座る仁だけは溜め息を吐き、それ以外は同時に声を出して勝負が行われた。
「やった!」
「Bのバトミントンだ!!」
勝者はBの佐藤で、佐藤はB班の皆と喜び合い、負けた田所はとても悔しそうにブスッとしているので、俺は田所の側に行き、ポンと背中に手を当てる。
「田所のサマーリーグに懸けている想いは知っているし、次の7月号は1番目の掲載順にいけるように勝ち取ろうよ」
「絶対に勝ち取りますし、部数会議だって俺達の数で勝ち取るようにします」
田所も気持ちを切り替え、直ぐ次に進み姿勢は良いことだけど、問題はー…
「荒木、ちょっと専務室に行こう」
「分かった」
俺は仁と一緒に専務室に行き、橘には昼に行くように伝えて席を外してもらい、俺は自分の席に座ると仁は机の前に立つ。
「今日もだけど、部数会議の時はもう少し発言しようよ」
「こっちはきちんと数を言っているし、向こうがネチネチとしつこいだけ」
仁は顔をぷいっと横にするけど、不機嫌になる時にこのぷいっと横に向けるのも高校生から変わんないな。
「言われっぱなしのままだと、今後も変わらないぞ」
「言い返してもああだし、揉めている時間がもったいないし、その分を原稿を書く時間に充てたい」
「それなら3日後は必ず決着つけるようにしないと、時間だけがずるずるすぎるぞ」
「分かっている」
仁が強めに言い返して専務室を出て行き、全く…、小さく溜め息をして次は姫川だなと思い、専務室を出て2階の編集部に入り、タウン情報部のエリアに行くと姫川はブスッとしながらキーボードを叩き、九条ちゃんはお弁当を広げてお昼休憩という2人の落差に苦笑しつつ、俺は姫川の席の近くにある椅子を引っ張って本人の側に座る。
「ご機嫌斜め中?」
「見て分かんねぇのかよ」
「分かってるよ。3日後に必ず決める事にしないと、マジで青木印刷所に迷惑だぞ」
「けっ。お前の権限でおっさんをどうにかしろよ」
「やろうと思えば出来るけど、おっさんは親父が四つ葉に誘っているからなぁ。簡単にはいかないよ」
「めんどくせー」
姫川はぼやきながらキーボードを打ち続ける。
「今日は少し頭を冷やして、3日後ね。九条ちゃんもいつも会議に付き合ってくれてありがとね」
「どーいたしまして。ファッション部にいた時は部数会議に出ることが無かったので、いざ出てみると経理課の部長のムカつき度は本当なんだなって思いました」
「でしょ?毎回だからよく飽きないなって思う。じゃあ、3日後にね」
俺はタウン情報部を離れ、ファッション部の水瀬に廊下に出るように指で指すと本人も頷き、2人で廊下に出て隅っこに移動した。
「姫川の愚痴をいつも聞いてくれて、ありがとね」
「慣れたっていうのが正直な所で、後は3日後に向けてファッション部も練り直しかな」
「頼むね。流石に決まらないとヤバい」
「後で仁と姫川にももう一度話をしたいし、また3日後に」
「おう」
水瀬が2人を纏めてくれるのが助かるし、今度水瀬には美味しいもつ煮のお店を奢ろうと決めて専務室に戻った。
「こっちは希望の部数を毎回言ってんのに、ねちっこく言うなよ」
「希望以上の結果を出しているんだったらこっちだって文句は無い!『Focus』は現状飛び抜けて結果を出しているとは言えんぞ!」
部数会議が開かれるも、おっさんは開口一番で結果について編集長3人組にねちっこく絡むし、姫川もおっさんも飽きないな。
会議に参加している経理課の中に木暮もいて俺と視線が合うと、お互い苦笑する。
「これ以上は纏まらないから、一旦頭を冷やすために会議は此処まで。ねぇ木暮、青木印刷所に部数の事を連絡するまで何日延ばせられる?」
「3日が限界です」
「オッケー。おっさんも姫川も頭を冷やせ。3日後に必ず決めるように。以上!」
俺はこれ以上進展しない空気が嫌でお開きにし、経理課のおっさんも苛つきながら会議室を出て行き、姫川は一度水瀬に任せ、仁は相変わらず発言はあまりしないでやり過ごしていたから、どうしたもんかね。
3日後に必ず部数を決めないとスケジュール的にきついし、青木印刷所に迷惑は掛けたくない。後で姫川の言い分を聞くとして、先ずはスポーツ部からだな。
俺はスポーツ部が使っている会議室に入り、ホワイトボードに貼られている6月号の記事の掲載内容をざっと確認し、仁にこれで行くのかと聞けば本人は青木印刷所に出すギリギリまで保留と言う。
内容的には良い感じだけど、順番によっては読者に興味を持たれないし、俺もスポーツ部にいた時も毎回掲載順でぶつかり合いながら決めていったっけ。
田所と佐藤も相変わらずバチバチになりながら掲載順について言い合い、スポーツ部もさっきの部数会議の空気みたいに『またか』みたいになっていて、こっちもか。
ふと可愛い部下の宝条さんと視線が合ったので、俺は彼女にこの掲載順をどうするか聞いてみると、本人は急なご指名に目が動揺していたけど、一生懸命考える姿が面白い。
「代表者がじゃんけんをして決める…とか?」
宝条さんのアイデアに仁以外が「え?!」と言う反応でいたけど、何それ、超面白い発想じゃん。
俺は超乗り気で進行し、田所と佐藤の1回勝負で決めることにすると2人は謎の気合いを込めるポーズをし、周囲の取材班は代表者にエールを送り合っていて、秋山は一眼カメラを手にしてこの雰囲気を撮影していて流石抜かりないね。
「最初はグー!じゃんけんー…」
「はぁ…」
俺の隣に座る仁だけは溜め息を吐き、それ以外は同時に声を出して勝負が行われた。
「やった!」
「Bのバトミントンだ!!」
勝者はBの佐藤で、佐藤はB班の皆と喜び合い、負けた田所はとても悔しそうにブスッとしているので、俺は田所の側に行き、ポンと背中に手を当てる。
「田所のサマーリーグに懸けている想いは知っているし、次の7月号は1番目の掲載順にいけるように勝ち取ろうよ」
「絶対に勝ち取りますし、部数会議だって俺達の数で勝ち取るようにします」
田所も気持ちを切り替え、直ぐ次に進み姿勢は良いことだけど、問題はー…
「荒木、ちょっと専務室に行こう」
「分かった」
俺は仁と一緒に専務室に行き、橘には昼に行くように伝えて席を外してもらい、俺は自分の席に座ると仁は机の前に立つ。
「今日もだけど、部数会議の時はもう少し発言しようよ」
「こっちはきちんと数を言っているし、向こうがネチネチとしつこいだけ」
仁は顔をぷいっと横にするけど、不機嫌になる時にこのぷいっと横に向けるのも高校生から変わんないな。
「言われっぱなしのままだと、今後も変わらないぞ」
「言い返してもああだし、揉めている時間がもったいないし、その分を原稿を書く時間に充てたい」
「それなら3日後は必ず決着つけるようにしないと、時間だけがずるずるすぎるぞ」
「分かっている」
仁が強めに言い返して専務室を出て行き、全く…、小さく溜め息をして次は姫川だなと思い、専務室を出て2階の編集部に入り、タウン情報部のエリアに行くと姫川はブスッとしながらキーボードを叩き、九条ちゃんはお弁当を広げてお昼休憩という2人の落差に苦笑しつつ、俺は姫川の席の近くにある椅子を引っ張って本人の側に座る。
「ご機嫌斜め中?」
「見て分かんねぇのかよ」
「分かってるよ。3日後に必ず決める事にしないと、マジで青木印刷所に迷惑だぞ」
「けっ。お前の権限でおっさんをどうにかしろよ」
「やろうと思えば出来るけど、おっさんは親父が四つ葉に誘っているからなぁ。簡単にはいかないよ」
「めんどくせー」
姫川はぼやきながらキーボードを打ち続ける。
「今日は少し頭を冷やして、3日後ね。九条ちゃんもいつも会議に付き合ってくれてありがとね」
「どーいたしまして。ファッション部にいた時は部数会議に出ることが無かったので、いざ出てみると経理課の部長のムカつき度は本当なんだなって思いました」
「でしょ?毎回だからよく飽きないなって思う。じゃあ、3日後にね」
俺はタウン情報部を離れ、ファッション部の水瀬に廊下に出るように指で指すと本人も頷き、2人で廊下に出て隅っこに移動した。
「姫川の愚痴をいつも聞いてくれて、ありがとね」
「慣れたっていうのが正直な所で、後は3日後に向けてファッション部も練り直しかな」
「頼むね。流石に決まらないとヤバい」
「後で仁と姫川にももう一度話をしたいし、また3日後に」
「おう」
水瀬が2人を纏めてくれるのが助かるし、今度水瀬には美味しいもつ煮のお店を奢ろうと決めて専務室に戻った。