離れた後の恋の仕方
青木印刷所へ原稿を出す為のバイク便が午後17時が限界で、これ迄に佐藤が来ることを信じて待つしかなく、四つ葉に向かいながら小さく息を吐く。
四つ葉のビルに入り、階段を上がって専務室に入って自分の椅子に座るとドアが開いて仁が入ってきた。
「バイク便が取りに来るまでだぞ」
「ああ」
仁は手短に答えて専務室を出て行き、入れ替わりで橘が肩にかけていたバックの紐をギュッと握り、俺の方へ来る。
「おはよ」
「おはようございます。あの…、スポーツ部の皆さんは何かあったんですか?ここに来る途中もスポーツ部の方たちの雰囲気がピリっとしていたので」
「んー、詳しく話せないけど、夕方17時までには“絶対に青木印刷所に”出してねって伝えているだけ。俺はそれを見守ることしか出来ないんだ」
「は、はぁ…」
橘には佐藤の件は話すことはないので、あえて時間だけのことを伝えた。
「この件は荒木達が答え出すから。ほら、今日のスケジュールを確認しよう。外回りは無かったよね?」
「はい。手帳を出します」
橘はバックから手帳を取り出し、2人で1日のスケジュールを確認すると、今日は外に行くことは無いからバイク便の時間ギリギリまでは仕事に集中だ。
「午前中はファッション部の中途採用の件で水瀬編集長と打ち合わせで、まもなく此方に来ます」
「オッケー。橘はここにいて大丈夫」
「かしこまりました」
橘は自分の席に座り、専務室のドアがノックされてドアが開いて水瀬が入ってきて、俺の前に立つ。
「中途採用の文言だけど、浅野から聞いた」
「はい。履歴書と職歴の文章だけだとその人の技術がよく見えないですし、口頭でもそう感じたので課題を出すといいかなって思いました」
「確かに面接だと中身まで見えない部分もあるし、課題を出すのって良いと思う」
俺は水瀬と中途採用の件で話しを進め、橘もその会話をパソコンで記録し始める。
「3人も辞めてしまうのは俺のケア不足を感じました」
「水瀬はよくやってくれているし、細かい所に目を配らせるのって大変だし、引き留めるって違うし、難しいよな」
「はい。“好き”で入ってきても現実は厳しい面がありますし、3人共よく頑張ってくれていました」
「だね。新しい場所でもうちの雑誌が好きだったって言ってくれたら嬉しいね」
「ええ。そうだったら俺も編集長として接した甲斐がありますし、姫川や仁も編集長として尊敬する所はいっぱいあります」
水瀬は姫川達の事を話すけど、本当に尊敬しているのが伝わる。
「俺は水瀬の入社の頃から知っているから、水瀬の優しさと思いやりは“好き”だよ」
「俺には勿体ないお言葉ですけど嬉しいです。あとは仁の文章力はずば抜けていて、昨日も頑張って遅くまで編集部で書いてましたよ。姫川と一緒に校正したんですけど、スポーツに詳しくない俺でも感動するくらい読後感が良かったです」
水瀬は目をキラキラさせながら仁の事を話す。
「俺も毎回仁の企画の部分は感心するし、その原稿を読んで入社を決めたスポーツ部のメンバーも何人かいる」
「そうなんですね。俺も言われてみたいなぁ」
「俺だってそうだよ。自分が編集長の時は無かったから、仁が羨ましいって思う」
「一緒ですね」
「だな。話は変わるけど中途採用の面接は水瀬も同席で、採用の目を鍛えさせるから質疑応答の文章は考えてきてね」
「はい。では失礼します」
水瀬とやり取りを終え、その後も仕事と昼食を挟み、午後も自分宛のメールの返信やお礼状関連の手配等をし、もうすぐバイク便の時間が迫ろうとしていた。
四つ葉のビルに入り、階段を上がって専務室に入って自分の椅子に座るとドアが開いて仁が入ってきた。
「バイク便が取りに来るまでだぞ」
「ああ」
仁は手短に答えて専務室を出て行き、入れ替わりで橘が肩にかけていたバックの紐をギュッと握り、俺の方へ来る。
「おはよ」
「おはようございます。あの…、スポーツ部の皆さんは何かあったんですか?ここに来る途中もスポーツ部の方たちの雰囲気がピリっとしていたので」
「んー、詳しく話せないけど、夕方17時までには“絶対に青木印刷所に”出してねって伝えているだけ。俺はそれを見守ることしか出来ないんだ」
「は、はぁ…」
橘には佐藤の件は話すことはないので、あえて時間だけのことを伝えた。
「この件は荒木達が答え出すから。ほら、今日のスケジュールを確認しよう。外回りは無かったよね?」
「はい。手帳を出します」
橘はバックから手帳を取り出し、2人で1日のスケジュールを確認すると、今日は外に行くことは無いからバイク便の時間ギリギリまでは仕事に集中だ。
「午前中はファッション部の中途採用の件で水瀬編集長と打ち合わせで、まもなく此方に来ます」
「オッケー。橘はここにいて大丈夫」
「かしこまりました」
橘は自分の席に座り、専務室のドアがノックされてドアが開いて水瀬が入ってきて、俺の前に立つ。
「中途採用の文言だけど、浅野から聞いた」
「はい。履歴書と職歴の文章だけだとその人の技術がよく見えないですし、口頭でもそう感じたので課題を出すといいかなって思いました」
「確かに面接だと中身まで見えない部分もあるし、課題を出すのって良いと思う」
俺は水瀬と中途採用の件で話しを進め、橘もその会話をパソコンで記録し始める。
「3人も辞めてしまうのは俺のケア不足を感じました」
「水瀬はよくやってくれているし、細かい所に目を配らせるのって大変だし、引き留めるって違うし、難しいよな」
「はい。“好き”で入ってきても現実は厳しい面がありますし、3人共よく頑張ってくれていました」
「だね。新しい場所でもうちの雑誌が好きだったって言ってくれたら嬉しいね」
「ええ。そうだったら俺も編集長として接した甲斐がありますし、姫川や仁も編集長として尊敬する所はいっぱいあります」
水瀬は姫川達の事を話すけど、本当に尊敬しているのが伝わる。
「俺は水瀬の入社の頃から知っているから、水瀬の優しさと思いやりは“好き”だよ」
「俺には勿体ないお言葉ですけど嬉しいです。あとは仁の文章力はずば抜けていて、昨日も頑張って遅くまで編集部で書いてましたよ。姫川と一緒に校正したんですけど、スポーツに詳しくない俺でも感動するくらい読後感が良かったです」
水瀬は目をキラキラさせながら仁の事を話す。
「俺も毎回仁の企画の部分は感心するし、その原稿を読んで入社を決めたスポーツ部のメンバーも何人かいる」
「そうなんですね。俺も言われてみたいなぁ」
「俺だってそうだよ。自分が編集長の時は無かったから、仁が羨ましいって思う」
「一緒ですね」
「だな。話は変わるけど中途採用の面接は水瀬も同席で、採用の目を鍛えさせるから質疑応答の文章は考えてきてね」
「はい。では失礼します」
水瀬とやり取りを終え、その後も仕事と昼食を挟み、午後も自分宛のメールの返信やお礼状関連の手配等をし、もうすぐバイク便の時間が迫ろうとしていた。