陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
「ふーん…。灯早も母ちゃんと色々あったんだな」
縋りたくて人の背中をすぐに追いかける灯早。悠馬が許嫁のことで苦しんでいた時、忠告しても悠馬を追いかけていた。好きとかそういうことじゃないとか言ってたけど、もしかすると背中を追いかけた先で何かを得たかったのかもしれない。
灯早がいてくれて良かった。言葉とか態度で、人間は簡単に承認欲求を満たせる。そういう経験、灯早はきっとなかったんだ。
「別に認めてもらおうと思わなくても、灯早を必要としてるやつはいると思うよ。…俺とか」
母ちゃんから解放させてあげたくて、出た言葉。踏み込みすぎたかな。母ちゃんがいなくて女からモテるのに性格が悪くて、口も悪い。最悪な俺だけど、こんな俺に灯早は笑って隣にいてくれた。こんな良いやつのこと、好きにならないわけがない。放っておくわけない。
灯早はしばらく無言で俺を見つめると、肩の力を抜いて微笑んだ。俺の想い、伝わったかな。俺も安心して微笑んだ。
周りの人混みも増えてきて、賑わいも出てきた。そろそろメインイベントが始まる。遠回しには伝えているけど、本人にきちんと伝わっているか確信はない。ここでしっかり伝えて、砕けるなら思い切り砕けないと。
去年、善がどうしてもここに来たいと言ってきて、仕方なく付いて行った場所。まさかここで役に立つとは思わなかった。