陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい




「野次馬の中から選んで行けよ」


善「いやいや…。俺は櫂と行きたいの!櫂と行くから意味があるんじゃん」


「…気持ち悪っ」




突き離して一瞥したのに、彼女みたいにベタベタしてきて、余計に気持ち悪かったから早く離れてほしくて付いて行った。人気のない二人だけの空間で、しっかりと灯早の目を見て言いたい。


俺の覚悟を決めるためにも、灯早に手を差し出した。もう俺から離れないようにぐっと引き寄せる。




灯「冗談じゃん…」




ふざけた灯早を引き寄せると聞こえてきたけど無視して、俺の心拍数が灯早に聞こえれば良いと、腕まで密着させて歩いた。




灯「…ありがとう。花火も、ずっと行ってみたかったの。連れてきてもらえて嬉しい」




急にしんみりとし出すと、俺の手を強く握った灯早。完全に策士だ。しかもこの様子だと、無意識。一番困るんだけどな…、調子狂う。



タイミングとシチュエーションまで考えていたけど、こんなことを言われたら、告白する前に俺の心臓が止まってしまう。飛び跳ねる心臓が口から出てしまう前に、灯早に近づく。でも灯早は顔を背けて逃げた。


灯早から仕掛けておいて、キスのお預けは悠馬から教え込まれた技術なんだろうか。




「はいはい」




なんて軽くあしらったように見せたけど、もし悠馬直伝なら俺のツボを完全に把握されている。正直ここまで来て、灯早を手中に収められないのは、もどかしい。


お預けされたまま穴場に到着すると、去年と同じく誰もいない静かな空間が広がっていた。ブランコに座り、花火が上がるのを待つ。



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