陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
溢れる想い
クリスマス当日、玲奈にアドバイスをもらって服を決めた。普段はあまり着ない、膝下丈のスカート。シルクのトゥルンとした素材にフード付きのパーカーを着た。程よくラフで可愛げのある服が、男受けが良いらしい。櫂くんの好みは知らないけど、気に入ってくれると良いな。
丁度のタイミングでコンコンと扉が叩かれて、開けるとフード付きパーカーに黒のチノパンを履いた櫂くんが立っていた。櫂くんがパーカーを、着ているのを、初めて見た。いつもTシャツにスカジャンかデニムジャケットを着ていることが多いから、新鮮。
「ごめん、お待たせ」
櫂「スカート、珍しい」
「変かな?」
櫂「ううん。似合ってる」
「えへへ、ありがとう。櫂くんも、かっこいいね」
素直にかっこいいと思ったのでそのまま伝えると、冷やかすような表情を見せる。
櫂「クリスマス仕様?甘えたバージョン」
ムッとして、櫂くんの腕を叩く。
「もう絶対褒めないからね」
櫂「ごめんごめん(笑)」
部屋の前でしばらく話して、〝行くか〟と外に出る。人が多いだろうからと電車で行くことにして、園田さんに駅まで送ってもらった。
降りて改札に向かう途中、半歩先を歩く櫂くん。いつもこうやって歩いているはずなのに、今日だけは背中を見て歩くのが寂しく思えて、服の裾を引っ張る。
櫂「ん?」
「…手、繋いでも良い?」
櫂くんの反応を伺って、だめそうなら冗談だとはぐらかせば良い。遠慮がちに櫂くんに聞くと、少しだけ口角を上げて優しく微笑み、何も言わずに私の手を取ってくれた。