陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
さすがに夢の中で寂しがられても。それは夢の中の人に縋ってほしい。軽く手を叩いてみた。肩を叩いてみた。頬を叩いてみた。…どれも起きないし、握る力が強くなるだけ。思い切り叩いてみようか。手を高く上げて振りかざす準備をした時、〝捨てないで、行かないで…〟というか細い声が聞こえた。
さすがに手が止まった。〝行かないで〟は寝言だとしても理解できる。〝捨てないで〟は無視できない。夢の中で、誰かに捨てられそうになってるの?ハーレムの女の人たち?毎日多くの人に囲まれて楽しそうに見えて、実は一番孤独を感じていたりして。
引いてしまうくらい煩い人だけど、それは孤独を紛らわせる仮面だとしたら。
「善くん」
善「……」
しゃがんで、善くんの寝顔を見つめる。私の手を握って枕に頬擦りして、頬には涙が流れた跡をつけて。ほんの少し口角を上げて眠る姿が、夢で縋れる人に会えたみたいに見えて、善くんのベットに頭を預けた。
もう少しだけ、ここにいよう。善くんの寝顔をもう一度見て、軽く目を閉じた。
数十分、昼寝をした感覚で目を覚ます。あまり寝てしまうと、夜中の変な時間に起きてしまう。自分の部屋に戻ろうと目を開けると、視界いっぱいに善くんの顔があった。起きてすぐで頭もまわっていなくて、何の反応もできずに善くんを見つめる。
善「おはよ」
「…おはよう」
ニコッと笑いかけられて、寝起きのせいか彼女の気分で、同じようにニコッと返した。