陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
時々善くんから受ける鬼電攻撃は、〝すみません、善くん煩いです。電話〟と櫂くんにメールすると、必ず止まる。そういうところは優しいのに、顔を合わせると目を逸らされて、話しかけようとすると目を合わせないように、私の視界から消える。
「謝ったのに…。許してくれても良いじゃん」
こんな微妙な距離感が一ヶ月半続き、もうすぐ梅雨が終わろうとしている。夏に向けて植え替えた苗は順調に芽が出て、あっという間に咲くだろう。
悠馬さんとは、櫂くんの忠告を無視して外出していて、悠馬さんに心配されるけど理由を聞いていない私からすると、同居人として一緒に外出することは当たり前のこと。
悠「灯早ちゃんといれるのは嬉しいけど、櫂は怒ってるんじゃない?」
「何を怒ってるのか教えてもらえないから、とことん怒らせてやります」
私のおすすめの和菓子屋さんの行列に並んでいる時に出た、そんな会話。悠馬さんには迷惑だっただろうか。
カステラを気に入ってくれたみたいだったから、それ以外のお菓子も見てほしくて、私から誘った買い物。近々、義理のご両親に会いにいくと言っていたから、手土産にぴったりだと思った。
悠「カステラ以外で、灯早ちゃんのおすすめは?」
「うーん…。挨拶に行くなら、どら焼きかぼた餅かな。好みもあるかもしれないけど、餡子が美味しいので、おすすめです」
悠「灯早ちゃん、餡子好きなんだ」
「大好きです」
悠「…そっか。俺のことも、それくらい食い気味で好きって言ってほしかったな」