陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
園「灯早ちゃん。今日は何か用事ある?何もなかったら、夏仕様に花を植え替えたいんだけど」
「喜んで手伝います」
園「いつも助かるよ。今日は悠馬も忙しいから、声かけられないし」
園田さんに何も返事ができなかった。悠馬さん、向こうの家で何も言われないと良いけど。そんな独り言、園田さんの前では言えない。
花を触っている時は、邪魔な考えは忘れて、目の前に没頭できる。先週咲きかけていた花は満開になり、花の蜜を吸おうと虫が寄ってきていて、虫には私利私欲がないから羨ましいと思ってしまった。
園「灯早ちゃんは、悩みがあると花を触りたがるよね」
「…え!?」
園「園田さんの予想、当たってるかな?言えないなら言わなくて良いけど、自分の頭で考えてるだけだと疲れちゃうから。甘いもの食べて、よく寝て。時々人に頼って。それで良いと思うよ」
「……ありがとうございます」
園「じゃあ園田さん、お茶淹れてくるから。ちょっと休憩しよう」
何も話していないのに、全部を知られているみたいで、大貫禄の園田さんには勝てない。淹れてくれるお茶を飲みながら相談をしようと、残っていた水やりに手をつけた。バケツから水を汲み取って花にやっていると、荒々しく鎖が揺れる音がした。門の方に目をやると、しがみついてこちらを見ている女の人が一人。もしかして、櫂くんか善くんに会いに来た人だろうか。
何の危機感もなく近づいて、門を開けた。女の人との間に隔たりがなくなると、充血した目を見開いて、私にぐっと近づく。あまりの迫力に後ずさると、同じようにまた近づいてきた。