陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
「あなたね?」
「あの…、」
「あなたが悠馬を誑かしてるんでしょ!」
「た、誑かす?」
近づく勢いは止まらず、どれだけ手で制止しても、ズカズカと家に入ってきた。悠馬さんの名前が出て、結婚相手で間違いないことは分かった。ただ、声色が幼稚すぎることと、無断で他人の家に入り込んでいることに気づいていない非常識さが、まだ社会を知らない年下感をより演出させていることは確か。
でも今の状況は、彼女の方が有利だろう。
「カフェから悠馬と出てきたところも、見てたんだから!同じ傘に入るなんて…、私もしてもらったことないのに」
「は?」
「…そんなことはどうでも良くて!悠馬を誘惑しないでって言ってるの!悠馬の隣から消えてよ!」
言いたいことを全て言い切り、フンと鼻で息を吐いて勝ち誇った顔を上から向けてきた。そして、近くに置いていたバケツに目をやると、私が嫌な予感がして阻む前に掴み、私に投げてきた。
バケツには花にやろうとしていた水が入っていて、頭から綺麗に水を被る。でも被ったことより、バケツが体に当たった衝撃の方が強くて、しばらく何が起こったのか理解できなかった。
「今後、悠馬に近づいたら許さないから…」
「あの、勘違いかと…。私は何もしてませんから。悠馬さんはちゃんとあなたとのこと、考えてましたよ」
「そんなの…、あなたから聞きたくない。だから悠馬に家に入ってって言ってるのに」