陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
引き裂かれて
櫂「そういえばあの女、悠馬が自分の家に来るって分かってて、その前に乗り込みに来たってことだよな…」
「…そう、なるのかな」
櫂「じゃあ悠馬はその話聞いて、飛んで帰ってくるな」
乗り込んだ話はしないだろうと思っていたけど、そんな噂をしていると玄関が途端に騒がしくなった。
櫂「俺、部屋戻るわ」
「櫂くん、ありがとう」
櫂「どういたしまして。悠馬とゆっくり話しな」
足を滑らせながら真っ先に向かったのは私の部屋のようで、激しくノックする悠馬さんに、櫂くんが〝灯早ならキッチン〟と伝えてくれているのが聞こえる。
そしてまたドタバタと騒がしい音がキッチンに近づくと、額に汗を滲ませて白眼がいつもの倍見えるほど見開いた悠馬さんと目が合った。私の顔を見つけると、頭を下げられる。
悠「俺のせいで迷惑かけてごめん!」
「ううん。…私も悪かったです。櫂くんの忠告、無視してたから」
悠「まさかここに来るとは思わなかったし、灯早ちゃんに手を出すなんて…」
伏目がちに私の様子を伺いながら、さっきまで櫂くんが座っていた椅子に悠馬さんが座った。
「あの。悠馬さんにずっと聞きたかったことがあって」
悠「何?」
「カフェに行った日、何で今日くらいは忘れたいって私に言ったんですか?私じゃなくて、もっと相応しい人がいたんじゃないかなって」
私と過ごした時間が楽しかったと言ってくれたことは、覚えている。少なからず悠馬さんに嫌われていないことは分かるけど、悠馬さんの口からきちんとした言葉で聞きたかった。