陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい




冷蔵庫をまた開け出し、水のペットボトルを一本取ると、私にくれた。受け取って蓋を捻るけどびくともしなくて、それに気づいた櫂くんが私の手から水を奪って蓋を開けてくれた。いつもなら簡単に開けられるのに。櫂くんの行動に動揺しているのかな。




櫂「悠馬が心配なだけで、キスなんか受け入れるかよ」


「…やっぱり見てたんだ」




しっかり一部始終を見られていたみたいで、一気に気まずい空気が充満する。櫂くんをちらっと見ると櫂くんも私を見ていて、〝何〟と何も言わない櫂くんに聞く。




櫂「灯早って、軽い女なんだなって思って」


「…っ、違う!」


櫂「どうだろうな」




櫂くんの手が伸びてくると、私の唇を荒く親指で拭われた。唇が縦に切れそうになるほど強い力で拭われて、痛みで顔を背けると、〝簡単にキスなんてされてんじゃねぇよ〟と吐き捨てられた。


何で櫂くん主体の言い方になるの。疑問にも思ったし、イラッとした。




「櫂くんが私にキスするなら良いの?それで満足するなら、したら良いじゃん」




私は軽い女じゃないし、誰にだって唇を許してるわけじゃない。櫂くんは私が発したぶっきらぼうな言葉に、見下すように冷ややかな目を向けた。




櫂「何でそうなんの」


「そういうことじゃないの」


櫂「俺は…。大事に思ってるやつほど、軽くは扱わない。それを灯早に言いたかっただけ」




今のは聞き間違いだったかな。何度も櫂くんの〝大事に思ってる〟が脳内で再生される。




< 80 / 99 >

この作品をシェア

pagetop