陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
冷蔵庫をまた開け出し、水のペットボトルを一本取ると、私にくれた。受け取って蓋を捻るけどびくともしなくて、それに気づいた櫂くんが私の手から水を奪って蓋を開けてくれた。いつもなら簡単に開けられるのに。櫂くんの行動に動揺しているのかな。
櫂「悠馬が心配なだけで、キスなんか受け入れるかよ」
「…やっぱり見てたんだ」
しっかり一部始終を見られていたみたいで、一気に気まずい空気が充満する。櫂くんをちらっと見ると櫂くんも私を見ていて、〝何〟と何も言わない櫂くんに聞く。
櫂「灯早って、軽い女なんだなって思って」
「…っ、違う!」
櫂「どうだろうな」
櫂くんの手が伸びてくると、私の唇を荒く親指で拭われた。唇が縦に切れそうになるほど強い力で拭われて、痛みで顔を背けると、〝簡単にキスなんてされてんじゃねぇよ〟と吐き捨てられた。
何で櫂くん主体の言い方になるの。疑問にも思ったし、イラッとした。
「櫂くんが私にキスするなら良いの?それで満足するなら、したら良いじゃん」
私は軽い女じゃないし、誰にだって唇を許してるわけじゃない。櫂くんは私が発したぶっきらぼうな言葉に、見下すように冷ややかな目を向けた。
櫂「何でそうなんの」
「そういうことじゃないの」
櫂「俺は…。大事に思ってるやつほど、軽くは扱わない。それを灯早に言いたかっただけ」
今のは聞き間違いだったかな。何度も櫂くんの〝大事に思ってる〟が脳内で再生される。