陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
善「九月になったら、戻るね!それまで毎日灯早ちゃんに電話するから!」
全員で手を振って見送りしたものだから、満面の笑みで実家に帰っていった。
他に別の家に帰る人はいなくて、櫂くんの家はここだし、私も帰る家がないから、この寮が家。そして、園田さんが親のような存在。
元あった家を出てから、両親からの連絡はなく、私からも連絡はしていない。でも悠馬さんが言っていた、〝向き合わないと〟。私もそろそろ向き合わないといけないのは分かっているけど、自分から逃げたから戻り方も分からない。
メールを開いて、〝久しぶり〟と打っては消し、〝海外は慣れた?〟と打っては消し。部屋のベットに寝転んで、進まない作業を繰り返していた。すると、少し強めに扉を叩く音が二回鳴る。返事をして扉を開けると櫂くんが立っていて、昨日のことが頭に浮かんで少し身構えた。すると、何も言わずに花火大会と書かれたポスターを、目に入ってしまうそうな近さで差し出してきた。
「見えるけど見えない」
櫂「どうせ暇だろ」
「え、暇じゃない」
櫂「は?」
予想外の返事だったらしく、ものすごい勢いで不機嫌になると、〝俺の悩んだ時間、返せよ…〟と刺すような目で私を見る。
「いや、暇なんだけど」
櫂「ややこしいな」
「親に連絡、そろそろした方が良いよなって思ってて…」
あぁ…と察するように頷いて、またポスターを見せた。