陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい

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花火大会の日。


動画を見ながら、どうにか浴衣を着た。髪の毛はアレンジに慣れていなくて、片耳に髪を捻ってかけて、白い花のついたピンで留めて。下駄を履いて玄関の扉を開けると、もうすぐ日が落ちるとは思えない、じりじりと肌を焼く日差しに目をしばたかせた。



門にもたれかかるように立っていた櫂くん。足元をカランコロンと鳴らして近づくと、門から体を離して今まで見たことない優しい笑顔で微笑まれた。黒の格子柄の甚兵衛を着こなしていて、新鮮な櫂くんに顔が熱くなる。



灼熱の太陽のせいだ。そう思い聞かせて、櫂くんの隣に並ぶ。





「ごめん、お待たせ」


櫂「…似合ってんじゃん。灯早って、紫着ると顔が映えるよな」


「そうかな?櫂くんも、すごく似合ってるよ」





〝ありがと〟と、いつもより素直な櫂くん。冷淡に言い返してこないと、調子狂うな。




「行こっか」




歩き出そうとすると、腕を掴まれる。様子が違いすぎるから、何をされるのか想像がつかなくて心臓が跳ねる。




櫂「髪のピン、ズレてる」


「え?本当?」


櫂「じっとしてて」




慣れないことをすると、こうなる。ヘアアレンジなんて、滅多にしない。暑かったら髪を簡単に後ろで結ぶだけで、可愛く着飾ることは苦手。自己主張はしない派だったから。


ピンをするっと取られると、櫂くんの指が耳に当たって、くすぐったい。すぐに終わるかと思ったのに、何度も髪を触る櫂くん。その度に耳に指が触れて、ついに首をすくめた。



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