陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
かき氷を片手に人の流れを見ながら、また昔のことを思い出した。私がお母さんと来た時はもう少し疎らで、お母さんと手を繋がなくても逸れないくらいだった。でも、お母さんと手を繋いで歩きたかった私としては、ただ寂しいだけの時間。
お母さんなりに愛情は注いでくれていたはずで、私もそんなお母さんを疑問には思わなかった。きっと私も甘え上手ではなかったんだろうな。そう考えていたところ、目の前をお母さんらしき人影が通ったような気がした。昔一緒に来た時に着ていた、白い七分袖のTシャツにベージュのチノパン。
「お母さん!」
立ち上がってあたりを見回してみたけど、人混みに消えてしまった。来れないと言っていたけど、そう言いながらも来てくれたのかもしれない。いらない期待を胸に追いかけようと走り出しかけて、腕を強く掴まれて反動で後ろによろけた。
櫂「どこ行くんだよ」
止めたのは櫂くんで、よろけて櫂くんにぶつかったまま声のする上を向いたから、目が合った距離が近くて、何か声に出したかったのに何も出ない。
「…あ、」
櫂「逸れたら危ないだろ」
戻ってきた手には、パックに入った焼きそばがあった。輪ゴムに挟まった二つの割り箸。ご飯、買ってきてくれたんだ。
櫂「お前ちっこいから、見つけるの大変なんだって。探させんなよ」
「ごめん…」