陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
二人の間に笑いが戻ると、周りの騒ぎが一段と増した。自分の耳が雑音をシャットアウトしていただけかと思ったけど、違うらしい。
もうすぐ花火が上がると通りすがりのカップルの会話を盗み聞き、お母さんとは見れなかった花火を櫂くんと一緒に見たい。視線を人混みから櫂くんに移すとばっちり目が合い、〝俺らも行くか〟という言葉に大きく頷いた。
櫂「花火が最前で見られる場所は今頃取り合いだろうし、良い場所知ってるからそっち行くぞ」
「穴場?」
櫂「そうそう。去年、善と来た時に教えてもらって」
「え、善くんと二人…?」
櫂「意味深な言い方するなよ。野次馬と行けって言ったのに、俺と行きたいとか言うから」
カップルが多い人混みの中、善くんと二人並んで花火を見る櫂くんを想像すると、自然と口角が上がる。〝ぶん殴るぞ〟という通常運転の櫂くんを軽くあしらって、石から立ち上がる。
先に歩き始めた櫂くんの背中を追いかけて隣に並ぶと、〝ん〟と腕をピンと伸ばしてこちらに差し出してきた。手を繋いでくれるらしい。冗談で、持っていた焼きそばのパックを手に当てると、〝違ぇよ、バカか〟とパックを奪われ、強引に手を握られた。
「冗談じゃん…」
軽やかな音がする足元に視線を落とすと、握られた手に力が入った。
櫂「俺なりに、やりがい感じないとだろ?」
「それならわざと逸れる」
櫂「それはやめろ。まじで心配するから」