陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい
櫂「ここが穴場。あそこのブランコに座ると、花火がよく見えるんだよ」
花火を真正面から見たい人が集まる会場とは違い、ここは真横から花火が見えそう。私たち以外に人はいなくて、貸切のブランコに腰掛ける。
「善くん、よくこんな良いとこ知ってたね」
櫂「野次馬にでも聞いたんだろ」
持ち手を腕で挟み込んで、前後に揺れてみる。ブランコに乗るなんて、いつぶりだろうか。今日、櫂くんに連れてきてもらって、やってみたかったことを全部叶えてもらって、ずっと埋まらなかった寂しさが埋まった気がする。両親の間に作ってしまった溝はもう、空いたままだと思う。埋めようとも思わない。今隣にいる櫂くんと、騒がしい善くんと、親より温かい園田さんがいる。
「善くんが教えてくれた穴場を、何で私にも教えてくれたの?告白してくれるの?」
最後の一言は冗談ぽく聞いたけど、本当にそうなのかもって少しは構えていたから。でも櫂くんはその冗談に言葉は返さず、眉間の皺で訴えかけてきた。
「ごめんごめん、冗談だから。でもそうだと嬉しいなとは、思った…。かな」
櫂「…言わなくても分かるだろ」
「言ってほしいじゃん。こういうのって言葉が大事なんだよ」
櫂「女ってめんどくせぇ」