偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

ー翌日

榊さんへのプレゼントを買うため、
いつも来ない都会まで出向いた。

そういえば、
ここの近くに百合子の家もあったな。

忙しいだろうけど、
もし都合良ければ後で夕飯に誘ってみようかな。

榊さんにバレたことをメッセージして、
大丈夫だよと返信来てから全然連絡取れていなかった。

まさか榊さんとそのまま食事に行ってるなんて思ってないよね…

私は百合子と恋ばなをするのを楽しみに、とりあえず榊さんへのプレゼントを探すために歩き始めた。

ーあれ?もしかして百合子?

数メートル先に見慣れた後ろ姿があった。

誰か相手がいるようだが、よく見えない。
男性だが、橘さんではなさそうだ。

ー休日だから橘さんはいないのかな?
お見合い相手なのかな?


ジロジロ後ろから見ていいのかよくわからないまま、少し近付いていった。

ーえ?もしかすると榊さん?

近付くにつれて、
見たことがある後ろ姿があった。

百合子の方を見た横顔で、榊さんだと確信した。

ーなんで百合子と榊さんが?

私は思考が動かないまま見つめていると、二人は高級なジュエリーショップに入っていった。

ーもしかして…
榊さんと百合子はデートしているのかな…?

百合子とは連絡を取っていないが、
榊さんに弁解して許してもらって、そのままお見合いが続いているのかもしてれない。

榊さんと私は連絡を取り合っているが、
恋愛要素があるかと言われれば…ない。

私が勝手に浮かれていただけで、
思い返せば仕事のアドバイスを求められたりしていただけで…
友達だと思われていたのかもしれない。

ーそっか…
勝手に浮かれて楽しんでいたのは私だけか…

私はどこの店にも寄らず、すぐに帰ることにした。

電車の中でも泣きたくなったが、
なんとか堪えて家に帰った。

家に帰ると泣きたい気持ちがまた出てきたが、どちらかといえば今日見たものが本当なのか、
自分が信じたくないのもあって、
よくわからなくなっていた。

ーピピッ
携帯の通知音が鳴って確認すると、
百合子からだった。

『久しぶり。元気かな?
実は報告したいことがあって…!
メッセージじゃなくてちゃんと会って報告したいんだけど、都合良い日時あったりする?』

ーもしかすると榊さんとのことを報告したいのかな?

お見合いを継続することの報告かもしれない。
そう思うとどうしても聞く気分にはなれず、
『今ちょっと都合悪くて…また連絡するね!』と返信した。

ーごめんね。
もう少し時間が経ったらお祝いできると思うから。

そう思って、
百合子と榊さんのことを思って、
やはり泣いてしまった。
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