偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています
ー翌朝
目を覚ますと、
すぐ隣に榊さんがいて、こちらを見つめていて驚いた。
「起きた?」
榊さんに髪を撫でられると、
昨日のことを思い出してしまい、
顔半分隠しながら、「はい」と呟いた。
昨日の最後の方の記憶はないが、
榊さんのスウェットを着ていて、
どうやら着替えさせてくれていたようだった。
「体辛くない?」
心配そうに見つめられて、
「大丈夫です」と返事をした。
ー本当はまだ下半身に少し痛みがあるけど…
我慢できるくらいの痛みだったので、
特に伝えなかった。
「ちょっと待ってて、
簡単な朝食作ってくるから。
楓はゆっくり休んでいて。」
榊さんがまた髪を撫でた後、
ベッドから出て台所に向かった。
本当は私も一緒に台所に付いていきたかったが、起き上がろうとすると想像以上に下半身に違和感があったため、
ありがたく横にならせてもらっていた。
ー私が体しんどいの、
言わなくても気付いてくれたのかな…
榊さんの優しさに感動しながら、
私はまた目を瞑り、少し寝かせてもらった。
ー良い匂い。
そして、何だか誰かに見られている気がする。
私は重たい瞼をこすりながら、
目を開けると、榊さんがこちらを見つめていた。
「ごめん、起こしちゃった?
朝食できたから様子見に来たんだけど、寝ているから後にしようと思ったのに、寝顔可愛くて見ちゃってた」
ー私の寝顔絶対可愛くないのに…!
思わずよだれがたれていないか確認し、
大丈夫なことに安堵した。
「ありがとうございます。
今起き上がりますね」
「ゆっくりで大丈夫だよ」
榊さんが手を貸してくれて、
ゆっきり起き上がった。
さっきより下半身の違和感がましになっていた。
榊さんが腰に手を当てて、
私の体を支えながらリビングに連れていってくれた。
「わー、美味しそう」
リビングの机には、
フレンチトースト、サラダ、コーンスープが用意されてた。
「すべて手作りな訳じゃないんだけど…
良かったらどうぞ」
「ありがとうございます。
嬉しいです!いただきます」
食べ始めると想像以上においしく、
パクパク一気に食べてしまった。
「おいしかったです。ご馳走さまです」
「気に入ってもらえて良かった。
また少し横になる?」
「いえ、大丈夫です。
昨日榊さんが言っていたとおり、今日は外出しますか?」
「うーん、
外出はまた今度にしよう。
楓の体が心配なのもあるけど…、
今日はずっと近くにいたいな。
外では手を繋ぐくらいしかできないからね」