偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

ー今日も手を繋ぐ以上のことをするってこと?

思わず顔が赤くなって返事ができなくなる。

「大丈夫。体の無理はさせないからね」

私の表情を見て、
少し榊さんが笑ったと思ったら、
宥めるように髪を撫でられた。

「もし良ければまたテレビ見ない?
良かったら今度は俺のおすすめで」

「はい!」


ー榊さんのオススメはどんな映画だろう?

少しワクワクして待っていると、
コメディ映画が映し出された。

「少し意外かもなんだけど、
普段はあまり頭を考えないような、
コメディが好きなんだ。

もしあまり好みじゃなかったらごめんね」

「いえ、榊さんの好きなもの見てみたいです」

ー正直意外ではあったけど、
榊さんの好きなものを教えてくれたの嬉しい。

「ありがとう」

映画が始まると、
榊さんがゲラゲラ笑い始めた。

ーこんな一面もあるんだ…
私は嬉しくなりつつも、すぐに映画に夢中になり榊さんと笑い合っていた。

「面白かったです」

「楓も楽しめたようで良かったよ」

ー昨日と今日だけで、榊さんの知らないところをいっぱい見れた気がするし、
距離が近くなった気がする。

「お昼は食べに行かない?」

榊さんに提案され、
家から数分のところにあるラーメン屋さんに行った。

「美味しいです」

「良かった」

ー榊さんもラーメン食べるんだな、
高級レストランばかりかと思った。

また新しい一面を見せてもらえて嬉しくなった。

「ちょっと早いけど、そろそろ送るよ」

「もう…ですか?」

ーできればもう少しいたいが、
仕事があるのかな?

「俺ももっと一緒にいたい。
でも、これ以上一緒にいると、
楓に無理させてしまいそうだから…」

そう言われると何も反論できない。

「それに、またすぐ会えるよね?」

「はい、もちろんです」

榊さんとまだ一緒にいたかったが、
体の無理が効かなそうだったので、
言う通りに送ってもらうことにした。

「今日は早く休んでね。じゃあ、また明日」

「ありがとうございます。また明日」

榊さんと別れて部屋に戻って、
やっとドキドキが収まってきた。

今まで長く一人暮らしをしていたので、あまり気にしていなかったが、
さっきまで榊さんとずっと一緒にいたため、少し寂しい気持ちになった。

ー早く逢いたいな。

そう思いつつ、明日の準備を始めた。
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