偽りのお見合いだとバレたのに、溺愛されています

ー翌日

昼から榊さんのお家に伺う予定だったが、朝から緊張してしまっていた。

ーどんなことを聞かれるんだろう?
どんな人なんだろう?
もしかしたら、認めて貰えなかったりするのかな??

どんどん悪い方向に考えてしまう。

表情が暗い私を見て、
榊さんが何度も「うちの実家は大丈夫だから」と言ってくれた。

それでも緊張はほぐれず、
あっという間に榊さんのお家を訪問する時間になった。

「お邪魔します」

「「いらっしゃい」」

榊さんの実家は大きい一軒家で、
広い玄関で榊さんのご両親が待っていてくれた。

榊さんに似て2人とも美形だが、
近寄りがたい感じはなく、すごく優しそうな雰囲気だった。

「こ、これつまらないものですが」

私がお土産を渡すと、
「わー嬉しい。美味しそう!」とお義母さんが受け取ってくれた。

「さあ、入って入って!」

広いリビングに入ると、
豪華なお寿司がズラリと用意されていた。

「わあ、美味しそう。」

思わず声をあげてしまい、
恥ずかしくなり手で口を押さえた。

「喜んで貰って良かった。
私あんまり料理が得意じゃなくてね、
お寿司用意しちゃった!」

お義母さんが明るく言ってくれて助かった。

第一印象のときも思ったが、すごく親近感があり優しい。

「ありがとうございます。
お寿司大好きなんです。」

「じゃあ、早速頂こうか。」

すでにお皿や醤油、箸なども用意されていて、ありがたく頂いた。

「美味しいです!」

どれも本当に美味しくて、思わず笑みがこぼれる。

「良かった!どんどん食べてね。」

そう言って貰って、
ありがたくいっぱい食べさせて貰った。

気付いたらあっという間に完食していた。

「ご馳走さまでした。」

「ご馳走さま。」

「はーい、今お茶出すからちょっと待っててね。」

「手伝います。」

「いいよ、ゆっくり休んでいて。」

お義母さんがお茶を用意に台所に行った。

今まではお義母さんが特に喋ってくれていたので、少し沈黙が続いた。

「楓さんは…お寿司以外に好きなものあるの?」

今まで喋らなかったお義父さんが話し掛けてくれた。

ー私の母のようにもっと出逢いとか聞かれると思っていたけど、聞かれないな…

そう思いつつ、
「そうですね。和菓子は全般好きです。」

「そうなんだ。今度おすすめの用意しておくね。」

お義父さんもお義母さんのように、
すごく優しくしてくれて、
私の心配は杞憂に終わりそうだった。

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