お試し婚のはずが、いつの間にか溺愛されています!~二度も婚約破棄された外科医は受付事務員に愛を捧ぐ~
「これで合ってるか?」
「……はい。でも、私はエスコートされたことは初めてです」
「そうか、それは良かった」
ぎこちなく繋がれた手。
恋人らしいことなんて、これくらいなのに、胸の鼓動がやけに大きく聞こえる。
偽装、のはずなのに……私は、自分の心拍数が上がっているのを自覚しながら、そっと、彼の手を握り返してしまった。
翌日、中華レストランでのデートの余韻も覚めやらぬまま、職場の朝礼では昇進の発表があった。
そのことを聞きつけた城高山先生から、『週末にお祝いをしよう』との連絡が入った。
初デートの詳細が送られてきたのは、金曜日の夜だった。
私が住んでいるアパートの最寄り駅まで来てくれる時間、移動時間など事細かに記載されている。ここまで来ると、デートというより手術計画書だ。
主任になったお祝いが、フレンチのディナーとは……。
けれど、服装はオフィスカジュアルくらいでいいと。
フレンチのディナーは初めてだけれど、ドレスコードがオフィスカジュアルな場所もあるんだ?
城高山先生の考えは、私の想像を軽々しく超えてくる。
呆然と画面を見つめていると、さらに一通、メッセージが届いた。
『ホテルのディナーに行く前に寄り道する場所がある』
と。
寄り道って何だろう?
寄り道の内容も確認せずにいたが、当日になると驚きすぎて口が開いたままになる。
十三時に最寄り駅で待ち合わせしたのだが……。
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
「し、城高山先生……! これは、一体……」
城高山先生に連れてこられたのは、パーティー用のドレスが端から端まで飾られているショップだった。
「いいから、スタッフの指示に従って」
彼はすでに店員と真剣に話し込んでいた。
「体型は華奢だが、肩周りは動かしやすい方がいい。長時間座るので、締め付けは最小限で」
まるで私を患者として、看護士に指示しているような紹介の仕方だった。
煌びやかなドレスに四方八方から囲まれた私は、身体が固まってしまう。
「……はい。でも、私はエスコートされたことは初めてです」
「そうか、それは良かった」
ぎこちなく繋がれた手。
恋人らしいことなんて、これくらいなのに、胸の鼓動がやけに大きく聞こえる。
偽装、のはずなのに……私は、自分の心拍数が上がっているのを自覚しながら、そっと、彼の手を握り返してしまった。
翌日、中華レストランでのデートの余韻も覚めやらぬまま、職場の朝礼では昇進の発表があった。
そのことを聞きつけた城高山先生から、『週末にお祝いをしよう』との連絡が入った。
初デートの詳細が送られてきたのは、金曜日の夜だった。
私が住んでいるアパートの最寄り駅まで来てくれる時間、移動時間など事細かに記載されている。ここまで来ると、デートというより手術計画書だ。
主任になったお祝いが、フレンチのディナーとは……。
けれど、服装はオフィスカジュアルくらいでいいと。
フレンチのディナーは初めてだけれど、ドレスコードがオフィスカジュアルな場所もあるんだ?
城高山先生の考えは、私の想像を軽々しく超えてくる。
呆然と画面を見つめていると、さらに一通、メッセージが届いた。
『ホテルのディナーに行く前に寄り道する場所がある』
と。
寄り道って何だろう?
寄り道の内容も確認せずにいたが、当日になると驚きすぎて口が開いたままになる。
十三時に最寄り駅で待ち合わせしたのだが……。
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
「し、城高山先生……! これは、一体……」
城高山先生に連れてこられたのは、パーティー用のドレスが端から端まで飾られているショップだった。
「いいから、スタッフの指示に従って」
彼はすでに店員と真剣に話し込んでいた。
「体型は華奢だが、肩周りは動かしやすい方がいい。長時間座るので、締め付けは最小限で」
まるで私を患者として、看護士に指示しているような紹介の仕方だった。
煌びやかなドレスに四方八方から囲まれた私は、身体が固まってしまう。