地元なじみ。
「わーーっ!!」

試合が始まった。
初めて見る生のバスケの試合は迫力満点でドキドキ。


……けれど、ドキドキの要素がもう一つ。
席が思ったより近く、腕や肩は触れることも多くて。
すぐ隣に早川くんがいるって実感して、気もそぞろだ。

なかなか試合に集中できず、意識がついつい早川くんにいってしまう。

「大丈夫?体調悪い?」
「あっ!ううん!」

歓声にかき消されないように、早川くんが近づいて耳元で話しかけてくる。
それだけで心臓が跳ね上がってしまう。

心配かけちゃった……今は試合に集中しないと。


けれど、ドキドキはおさまることもなく。
ずっと続いたまま……試合終了の笛が鳴った。

「接戦だったな」
「うん、最後決まって勝ててよかったね」

そんな話をしながら、2人で駅の方へ向かう。
会場にいた人たちが一斉に向かっているから、ものすごい人混み。
手と手が触れそうで触れない距離のまま、私たちは電車へ乗り込んだ。
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