地元なじみ。
「い、一緒に練習しない?」
「練習……」
「う、うん!ほら、2人の方が色々できるし、少しは息抜きでさ!そしてまた勉強頑張れそうだし!」

断られるのが怖くて、どんどん言葉が出て来てしまう。

「……いいね」
「いいの!?」
「地区センターとかだと、体育館使ってそのまま自習室もあるし」
「いいじゃん!行こうよ!……たまにね」
「毎日行きたくなりそ」
「あはは」

早川くんからの嬉しい提案で、受験勉強にも少しは楽しみができた。

けれどやっぱり欲張りになっていて。
受験期間中、理由がなくても連絡したり会える関係になりたい。

何より……どんどん大きくなっていくこの気持ちを伝えてしまいたい。

「は、早川くんっ!」
「ん?」

思いっきり息を吸い込む。

「あのね……き、聞いて欲しいことがあっ……」
「あかりー!大丈夫―?」
「あれ、ひなたそんな所にいたんだ」

勇気を出して言いかけた時、友達の呼ぶ声がした。
同時に、早川くんの友達も近づいて来るのが見える。

「あっ、ごめん。戻らないとだね」
「話、いいの?」
「……大丈夫!早川くんたちも打ち上げでしょ?急がないとね」

この後私たちの学校は、男女バスケ部で打ち上げとしてご飯を食べに行く予定だ。
気持ちを伝えるにも、この空気になった今はさすがに難しい。

「また話すね、じゃあね」
「おー」

洗い終えた容器を持って、走ってみんなの元へ戻る。

言えなかった……

けれど、顔は火照っていて、鼓動が速い。

今……早川くんからは後ろ姿でよかった……

友達の声がかからなかったら、早川くんのチームメイトの人が来なかったら……
どうなっていたのだろう……



今日、私たちは部活を引退した。
これから受験生活が始まる。
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