地元なじみ。
意地悪な質問をしている自覚はある。
ただ、想い合って、出会うべくして出会ったような2人が、このまま終わってほしくないだけ。

「……とりあえず、今は高校受験と向き合いたい」

あ……この目。
あの時の目と一緒だ。


小学校に入学したばかりの頃、三島とサッカーを習うから一緒に行こうと声をかけた時。

「ひなたも入ろうぜ」
「いや、俺はバスケやってみたい」
「三島もいるし、みんなで一緒ならサッカー好きになるかもよ?」
「うん、でもバスケにする」


ひなたの決意が固い時の目だ。
なんだかんだ、ひなたは頑固者だから。

「まあ、俺がそれを止める権利はないしね」
「悪い」
「別に学校でも会うし。ってか、学校では普通に話せよ?」
「ああ」
「あと、塾でも普通に話しはしろよ?」
「ああ」
「あと……」

最後に1つ、もっと意地悪なことを言ってやろう。

「俺が藤沢をもらっても文句言うなよ?」
「……!」

目を見開いて動揺しているのがわかる。
こんなひなたは初めて見たかもしれない。面白すぎる。

もっと楽しんでいたいけれど、藤沢をネタにするのは違うから、しっかり否定しておこう。

「ふっ……冗談だよ」
「別に……」
「いや、マジで。俺に全くそういう気持ちはないから安心しろ」
「いや……」
「ただ1つ。受験終わったら、ちゃんと答えは出せよ」


カッコよく背中を後押ししたつもりだったが、ひなたの返事はなかった。
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