地元なじみ。
息を切らした早川くんが間に立った。
「ひなたじゃん!久しぶり!」
「さっき会っただろ」
「挨拶だけだったからさー!」
その感じから、本当に急いで来てくれたようで、また胸がじわっとしてくる。
久々の再会に林くんたちと早川くんは盛り上がっている。
そんな中で、私の後ろにコソっと梓ちゃんがやって来ていた。
「梓ちゃん!」
「久しぶり!あかり、のんちゃん」
ボーリング中はそれどころじゃなくて梓ちゃんとは話せなかったから、嬉しい。
もっと話したいけれど、心なしか三島くんの視線を痛いほど感じるので、早く2人にしてあげようかな。
「三島くんと帰るんでしょ?」
「うん、でも……」
「私たちはまたゆっくり会おうよ」
「そうそう、女子会だね」
「うん、連絡するね!」
三島くんの性格からしてコッソリ送り出した方がいいなと思い、小声でバイバイを告げる。
それなのに、早川くんと盛り上がっていたはずの男子が目ざとく気がついてしまった。
「待って!三島帰るの?何、どういうこと!?」
梓ちゃんと並ぶ2人を見て、目を見開きながら驚く男子たち。
梓ちゃんは少し気まずそうにしている。
「何って……彼女。早く2人になりたいから帰るんだよ」
そう言って三島くんは梓ちゃんの肩を軽く抱きよせた。
梓ちゃんが赤くなっているのにつられて、なぜか私も赤くなっていく。
「三島が……彼女持ち……」
ショックを受けている男子たちを横目に、涼しい顔した三島くんと、申し訳なさそうな梓ちゃんが帰って行った。
そんな男子たちに平塚くんは「中学の頃からだよ」と、追い打ちをかけていた。
「とりあえず……林たちのこと、向こうで佐々木とかが探してたぞ」
「うお!久しぶりだな、会いたい!」
「行って来たら」
「おう!ひなたもまたな!」
早川くんの一声で林くんたちは去って行き、のんちゃんと平塚くんと早川くんが残った。
「さて、どうする?」
平塚くんが私たちを見回して尋ねる。
「辻堂、この人と帰ってもいい?」
そう言って早川くんは、私とのんちゃんを交互に見る。
「うん、ちゃんと送ってあげてね」
「ああ」
「おーい、俺は?俺には聞かないの?」
平塚くんが拗ねたように、でもニヤニヤしながら早川くんの肩に腕を乗せる。
「平塚の許可はいらないでしょ」
「何でだよ」
「もう行くで平気?」
「あっうん」
平塚くんを無視するように、早川くんは私に問いかける。
2人のこんな掛け合いを見るのも久しぶりで、平塚くんには申し訳ないけどほっこりする。
「じゃあ……悪いけど、帰るわ」
「はいはい、またね。ひなた、藤沢」
「あかりまたね」
「うん。のんちゃんも平塚くんもありがとね」
早川くんと並んで外に出る。
すっかり暗くなり、繁華街は賑わい始めていた。