地元なじみ。
高1*星空の約束
ボーリング会場の駅から電車で2駅の地元の駅へ戻ってきた。

ボーリング会場を出て駅へ向かうために繁華街を歩いている時は、緊張もあり2人の間にはぎこちなさもあった。
電車は満員電車とまではいかないけれど、それなりに通勤の人達で混みあっていて、会話をする空気でもなかった。

そのため、ここまで早川くんとは3言くらいしか言葉を交わしていない。

そしてこの後どうするのかも決まっていない。

「いつものバス?」
「あっ、今日は自転車で」
「チャリ?」

いつものバス停に送ってくれるつもりでいたのか、早川くんは少し驚いている。
高校生になって毎日来るから駅までは自転車にしたことを伝えると、へーといつもの感じで納得していた。

バス停の少し先にある自転車置き場へ向かう。
あっという間に停めてある私の自転車に着いてしまった。


ここで……バイバイになってしまう。

気持ちを伝える……?
その前にまずは次に会う約束をする?

何が正解なのか、何が1番成功率が高いのか、必死に考えを巡らせる。

「俺チャリじゃないから、押して一緒に歩くになっちゃうけどいい?」
「へ?」
「いや、さすがにチャリの横走って行く元気はなくて。悪い」

何を言っているのかが全く分からずポカンとする。

「一緒に歩く……?ここでバイバイじゃないの?」
「なんでだよ、送るって言ったじゃん」

何言ってんの?と呆れた顔で、早川くんが話す。

「いや、送るってここまでかと……ってかそれで十分だよ?」
「いいから」

もう私のどんな意見も受け付けない、と言わんばかりの表情だった。
更に気づいた時には、早川くんが私の自転車を押し始めていた。
そこまでさせられないと必死の抵抗虚しく、また押し問答があった末に、私は諦めた。


今、私の自転車は早川くんが駐輪場の出口へ向かって押してくれている。

「私が自転車だったばかりに……ごめん」
「バスだったとしても一緒に乗るつもりだったし」
「え」
「むしろチャリだったのに徒歩にさせて悪い」

一緒にバス乗るのも良かったな……なんてこの状況で思う程には浮かれている。

謝り合いながら、私、早川くん、自転車の並びで、私たちは駐輪場を後にした。
< 151 / 182 >

この作品をシェア

pagetop