地元なじみ。
高1*3つのお願い
早川くんと付き合って初めての夏がやってきた――高校1年生の7月。

「おはよ……って藤沢?何事?」
「おはよ……平塚くん……」

夏休み目前の今日、早川くんと付き合い始めて3週間が経った。

お互いに部活と、早川くんは塾もあるため忙しく、この間、会ったのは2回。
少ないと思われるかもしれないけれど、今までの関係から考えるとそれでも十分で。

具体的にはだいたい週に1回、早川くんの部活が休みの日に、地元の駅前で待ち合わせして夜ご飯を食べることにしている。
その日私は部活があり帰ってくるのが19時近くなってしまうので、始めは申し訳ないと遠慮したのだけれど、早川くんの強い押しに折れた。

わざわざ時間つぶして待っていてくれて、私が終わった時間に連絡して、2人で時間を合わせる。
これだけで2人の関係が変わったことを実感して、じんわりくる。


その2回の中でこの1年の時間を埋めるように色々な話をした。
私が塾を辞めた理由、美玲ちゃんとこの前の女の子が北高バスケ部のマネージャーをやっていること、梓ちゃんの態度が軟化してきたこと、そして日々の過ごし方やスケジュールなど。

いつでも連絡し合えて、予定の共有も出来る。
そんな変化が幸せで、私たちの関係は順調だと思っている。


それなのに、私は今、平塚くんに心配されるほど落ち込んでいる。

2年前にみんなで水族館から見た花火大会。
嬉しいことに今年は早川くんと2人で行く約束をしていた。
けれど、先週の土曜日の予定だったそれは、悪天候により延期となっていた。

昨日延期の日程が発表されたのだけれど……

「藤沢の部活の合宿と被ったと……」
「うん……」
「んーそればっかりはなあ……」

そう、どうすることもできない理由だから落ち込んでいるのだ。
のんちゃんが頭をなでてくれる。

「でもあかり、早川くんと約束してたんだね」
「あ、うん。何となくそういう話になって」
「ふふっ、2人がそうなって私まで嬉しいな。なおさら、行けたらよかったけどね」
「ひなたがデートね……俺ちょっと泣きそうだよ」
「また怒られるよ」

早川くんと付き合うことになったことを報告した時、あのボーリングは梓ちゃんと調整してくれていたことを聞いた。
みんなにチャンスを作ってもらって、温かく見守ってもらえて、本当に感謝しかない。

早川くんとはもちろん、みんなとの関係も大事にしていきたい。
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