地元なじみ。
「ここ……」
「ちょっと一目気にせずゆっくり話したくて。ここが一番いいかなと」

早川くんに連れられ着いたのは、早川くんの中学の近くにあるストリートバスケのコートだった。

ここに来るまでの道中、2人で並んで歩いてきた。
私は、手つなぎたいな……なんて考えながら結局言い出せない、を繰り返していた。
今まではその手に自転車がいたり、すぐにお店に入ったりで、2人でゆっくり歩くというということがなかったのだ。
だからなおさら、意識してしまった。

どこへ行くか分からない状況なのに、手をつなぎたいと思うほどには私は浮かれている。

とはいえ、浮かれてばかりはいられない。
ゆっくり話したいとは……今から何を話すのか、少しの不安がよぎる。


「部活終わりに申し訳ないんだけど……フリースロー勝負しない?」
「へ!?」
「勝った方のお願いを聞く、とかどう?」

そう言って、バッグからバスケットボールを取り出した。
突然すぎる発案に戸惑うばかりだけれど、私もバスケ大好き人間。
コートとボールを見れば、疲れていてもバスケをしたくなる。

「なら1on1にしようよ!フリースローは勝負つかなそうだし」
「ダメ」
「何でよ」
「何でって……」

ボールをくるくる回している早川くんは、私をチラッと見て、ため息をついた。

「藤沢、スカートでしょ……」

そう言って、視線を逸らす早川くん。

そっか、今制服だった。
けれど、私もバスケをしたいから食い下がる。

「バスケのパンツ持ってるし、スカートの下に履くよ」
「は、ここで?」
「そっちのゴールの後ろなら陰になってるし」
「いや、そういう……」
「まあこの辺誰も通らないし、気にならないけどね」
「……俺が気になるんだよ」

また大きなため息をつきながらボソッと呟いた早川くんの言葉は聞き取れず、聞き返しても何でもないと言われてしまった。

押し切る形で履き、久しぶりの早川くんとの1on1がスタートした。
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