地元なじみ。
小6*バレンタインデー

季節は巡って冬――小学校6年生の2月、来月には卒業式がせまっている。

いつも通り塾に向かって一緒に歩いている中で、梓ちゃんがふと、真剣な声色で話し始めた。

「あかり……あ、あのさ」
「なーに?」
「塾の男子にチョコ……一緒に渡さない?」
「チョコ?なんで?」
「その……来週バレンタインじゃん?」
「バレンタイン……」

そっか、今まで自分には無縁のイベントだったから、梓ちゃんに言われて初めて気がついた。
クラスの女の子たちも高学年になるにつれて、毎年この話題で盛り上がっていたのを思い出す。

「いいけど……塾の男子みんなに渡すの?多くない?」
「いやっ、みんなじゃなくて……その……」

梓ちゃんはモジモジしながら言い淀んでいる。

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