地元なじみ。
ち、近い……
身を乗り出した早川くんのおでこと、私のおでこがくっついている。
こんなに近づいたことは今までなくて、下を向くことしか出来ない。
早川くんの問いかけに返事をする余裕なんてなくて。
顔が赤くなっているのを見られているかもしれない。
この心臓の音も聞こえてしまっているのかもしれない。
それでもいい。
この甘い空気をもっと味わいたくて。
下に向けていた視線をゆっくりと上にあげる。
まつ毛が当たりそうな距離で、早川くんと目が合う。
心臓が飛び出しそう。
私の手に重ねた早川くんの手の力が、ぎゅっと強くなる。
自然と目を閉じた時、唇に柔らかいものが触れた。
静かで私たち2人だけの空間みたい。
さっきまでヒグラシの声が聞こえていたけれど、今は何も耳に入ってこない。
唇から離れたことを感じ、そっと目を開ける。
大好きな人と目が合う。
一瞬だったのか、もう少し長い時間だったのかも判断がつかないくらい、頭がぽーっとしている。
「3つ目はコレ」
「え……」
「事後承諾だけど」
優しく微笑みながら、片手は私の手と重ねたまま、もう片方の手で私の頭をなでる。
「色々……すっ飛ばしてごめん」
「?」
「いや……その……手つないだり、抱きしめたり……するのが先……なのかと……」
抱きしめたり、のあたりでかなり小声になっていて、恥ずかしいのが全面に出ている。
そんな順番なんて決まっていないのに。すごく嬉しいからいいのに。
本当に早川くんが愛おしい。
「私も……したかったから」
「ん」
「その……同じ日だったら、すっ飛ばしてないんじゃない?抱きしめたりとか……」
早川くんが少し驚いて固まっている。
それを見て、結構思い切ったことを言ってしまったと自覚する。
恥ずかしくてうつむいていると、ふと背中が温かくなった。