地元なじみ。
教室に足を踏み入れると、暗めの照明の中で、赤や青のライトがところどころで点灯している大人な感じの空間になっていた。
8か所くらいのテーブルがあり、それぞれで座ってゲームやお茶を楽しめるようだ。

「……いらっしゃいませ」
「何でそんな不機嫌なんだよ、ひなた」

席に着いた私たちの元へやってきたのは、梓ちゃんと同じディーラー姿の早川くん。

スーツ……蝶ネクタイ……かっこいい。
夏の浴衣の時から、私は早川くんの外見にもドキドキさせられっぱなしだ。

私が見とれている横で、平塚くんは早川くんに「ちゃんとやってるじゃん」なんて言いながら、からかっている。

「はあ……だから見られたくなかったんだよ」
「まあまあ、藤沢に会えたんだからいいだろ?」
「それはそ……」
「ひなたー!」

話の途中で、他のテーブルから早川くんを呼ぶ声がした。

「悪い、行ってくる」
「あ、うん」

そう言って、私の背中にそっと触れ、早川くんは行ってしまった。
これだけで、きゅんとして背中が少し熱い。

「おーい、藤沢しか見てないけど俺たちのこと視界に入ってる?」

なんて平塚くんが言いながら、みんなでテーブルにあったトランプでポーカーを始める。
平塚くんが手際よくカードを配ってくれている中、遠くでさっきの男子たちが早川くんに話しかけている声が聞こえてきた。

「ひなたー!彼女のところにばっかいないで持ち場に戻ってくださーい」
「友達……だって。だから」
「本当に~?」

友達……
自分で言っておきながら、聞こえてきたその単語がグサリと心に刺さってくる。


配られた手札も微妙でダブルでへこんでいた時、梓ちゃんとその友達がテーブルへやってきた。

「梓……そちらがウワサの?」
「あ、うん。えっと……彼氏です」
「きゃー!」

梓ちゃんが友達に三島くんを紹介して、盛り上がっている。
黙って見守っている三島くんもなんだかんだで嬉しそうに見える。

いいなあ……私もこうやって堂々と言えばよかったのかな。
やっぱり、後でちゃんと早川くんと話をしよう。


数回ポーカーを楽しんだ後、私たちは一旦早川くんたちの教室を出た。
ちなみにポーカーは、のんちゃんと三島くんが異様に強くて白熱していて、そんな2人を見て平塚くんが引いていたのだった。
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