地元なじみ。
文化祭に来てあっという間に時間は過ぎ、気づけば日が傾いてきた。
冬は日が沈むのも早い。
のんちゃんと平塚くんはグラウントを見に行っていて、三島くんは梓ちゃんと回っている。
私は1人で昇降口前の廊下にあるベンチに座って待っている。
のんちゃんたちと一緒に行こうかとも思ったけれど、何となく……2人にしたい気持ちが沸き起こり、私はここに残った。
昇降口前なので、帰る人を中心に割と多くの人が目の前を行き来していて、眺めていると意外と退屈しない。
早川くんは本当にずっと当番みたいで、今日は忙しそうで。
『一緒に回れなくて本当ごめん』
『今日は16時には下校だから一緒に帰らない?』
と、教室を出た後にメッセージが届いた。
「一緒に帰らない?」この一言だけで、さっきまでの落ち込んでいた気持ちが吹き飛ぶくらいの嬉しさだ。
「あれ、1人?」
「林くん」
にやけてメッセージを見返している私に話しかけてきたのは林くんだった。
のんちゃんたちを待っていることを伝えると、俺も同じ感じと、林くんが私の隣に腰を下ろす。
「ひなたには会えた?」
「あ、うん。少しだけど会ったよ」
「ふっ、元気そうになってよかったね」
「あはは……ご心配おかけしました」
100パーセントの元気ではないけれど、少しでもそう見えているならよかった。
そのまま林くんも学校の話や塾の話をしていたら。
しばらくして、廊下から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ね~ひなたくん!どこ行くの~?」
「はあ……さくらには関係ないから」
あの美玲ちゃんの友達の女の子と早川くんだった。
会話の感じからして、別に一緒に回っていたわけじゃないのは分かる。
けれど、2人の姿が視界に入ると、心がモヤっとしてしまう私がいる。
早川くんと目が合うと、近づいてきてくれた。
「あ……藤沢。……林も久しぶり」
「おーひなた、おつかれ」
何となく、少し気まずい空気感の中、さくらと呼ばれていた女の子が林くんと挨拶をしている。
ボーリングの時にはよく見てなかったけれど、美玲ちゃんと一緒ですごく可愛い子だ。
綺麗に巻いている黒髪が似合っている。
「え~林くん、彼女できたの?」
「いや、それは俺じゃなくて……」
「照れないでよ~お似合いじゃん!」
林くんと話している感じから、さくらちゃんも同じ早川くんたちと同じ中学校だったのかな。
さくらちゃんは私たちが付き合っていると勘違いしているのか、林くんをいじっている。
早川くんの前で……ちょっと嫌だな。
でも話したことないし、さくらちゃんの視線はずっと早川くんと林くんだ。
割って入るのもはばかられるけれど……でも……
「あ、あの……」
カラン――
否定しようとしたその時、床に何か金属製のものが落ちる音が響いた。
「あ~ごめん、私のだぁ!落としちゃったぁ」
そう言ってさくらちゃんがキーホルダーを拾い上げた時、初めて私と視線が合った。
「ひなたくんとお揃いなのに~!落としちゃってごめーん」
さくらちゃんの視線はすぐに早川くんへ移ったけれど、キーホルダーは私たちの方へ向けている。
「いや、それ……」
本日の文化祭は終了となります。生徒のみなさんは……――
「ひなたくん!もう戻らないと~!」
「おい、さくら!」
早川くんが何か言おうとした時、ちょうど文化祭終了の校内放送が流れた。
さくらちゃんはもうこの場から立ち去り、少し離れたところに行ってしまった。
「あ……藤沢ごめん。終わったらすぐ来るから」
「うん、待ってるね」
「ひなたくーん!早く~!」
先に行ったさくらちゃんが呼んでいる。
早川くんはそれには答えずに、教室の方へ戻って行った。
冬は日が沈むのも早い。
のんちゃんと平塚くんはグラウントを見に行っていて、三島くんは梓ちゃんと回っている。
私は1人で昇降口前の廊下にあるベンチに座って待っている。
のんちゃんたちと一緒に行こうかとも思ったけれど、何となく……2人にしたい気持ちが沸き起こり、私はここに残った。
昇降口前なので、帰る人を中心に割と多くの人が目の前を行き来していて、眺めていると意外と退屈しない。
早川くんは本当にずっと当番みたいで、今日は忙しそうで。
『一緒に回れなくて本当ごめん』
『今日は16時には下校だから一緒に帰らない?』
と、教室を出た後にメッセージが届いた。
「一緒に帰らない?」この一言だけで、さっきまでの落ち込んでいた気持ちが吹き飛ぶくらいの嬉しさだ。
「あれ、1人?」
「林くん」
にやけてメッセージを見返している私に話しかけてきたのは林くんだった。
のんちゃんたちを待っていることを伝えると、俺も同じ感じと、林くんが私の隣に腰を下ろす。
「ひなたには会えた?」
「あ、うん。少しだけど会ったよ」
「ふっ、元気そうになってよかったね」
「あはは……ご心配おかけしました」
100パーセントの元気ではないけれど、少しでもそう見えているならよかった。
そのまま林くんも学校の話や塾の話をしていたら。
しばらくして、廊下から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ね~ひなたくん!どこ行くの~?」
「はあ……さくらには関係ないから」
あの美玲ちゃんの友達の女の子と早川くんだった。
会話の感じからして、別に一緒に回っていたわけじゃないのは分かる。
けれど、2人の姿が視界に入ると、心がモヤっとしてしまう私がいる。
早川くんと目が合うと、近づいてきてくれた。
「あ……藤沢。……林も久しぶり」
「おーひなた、おつかれ」
何となく、少し気まずい空気感の中、さくらと呼ばれていた女の子が林くんと挨拶をしている。
ボーリングの時にはよく見てなかったけれど、美玲ちゃんと一緒ですごく可愛い子だ。
綺麗に巻いている黒髪が似合っている。
「え~林くん、彼女できたの?」
「いや、それは俺じゃなくて……」
「照れないでよ~お似合いじゃん!」
林くんと話している感じから、さくらちゃんも同じ早川くんたちと同じ中学校だったのかな。
さくらちゃんは私たちが付き合っていると勘違いしているのか、林くんをいじっている。
早川くんの前で……ちょっと嫌だな。
でも話したことないし、さくらちゃんの視線はずっと早川くんと林くんだ。
割って入るのもはばかられるけれど……でも……
「あ、あの……」
カラン――
否定しようとしたその時、床に何か金属製のものが落ちる音が響いた。
「あ~ごめん、私のだぁ!落としちゃったぁ」
そう言ってさくらちゃんがキーホルダーを拾い上げた時、初めて私と視線が合った。
「ひなたくんとお揃いなのに~!落としちゃってごめーん」
さくらちゃんの視線はすぐに早川くんへ移ったけれど、キーホルダーは私たちの方へ向けている。
「いや、それ……」
本日の文化祭は終了となります。生徒のみなさんは……――
「ひなたくん!もう戻らないと~!」
「おい、さくら!」
早川くんが何か言おうとした時、ちょうど文化祭終了の校内放送が流れた。
さくらちゃんはもうこの場から立ち去り、少し離れたところに行ってしまった。
「あ……藤沢ごめん。終わったらすぐ来るから」
「うん、待ってるね」
「ひなたくーん!早く~!」
先に行ったさくらちゃんが呼んでいる。
早川くんはそれには答えずに、教室の方へ戻って行った。