地元なじみ。
「ありがとう、陽向」
初めて呼ぶ、大好きな人の名前。
勢いや雰囲気に後押ししてもらっても、小学生の頃からずっと早川くんと呼んできたから、少し恥ずかしい。
さっき陽向が言っていたことを、身をもって痛感している。
「私は陽向だけだから。大好きだよ」
さすがに少し恥ずかしくて、陽向の胸に顔をうずめ、背中に回した手に力を入れる。
けれど程なくして、陽向の手が私の頬を探るように触れ、うずめた顔は上に向けられてしまった。
目の前に照れた陽向の顔が近づいてきて、そのままキスをされた。
「……知ってる」
唇が離れ、陽向は私の頭をなでながら少し悪い顔で微笑んだ。
この顔も……好き。
「……クリスマス、一緒に過ごしたい」
「うん、私も」
「誘うの遅くなってごめん。また言い訳なんですけど……」
「ふふっ、何?」
「当然一緒に過ごすと勝手に思ってて。誘うという発想がなく……茅ヶ崎に怒られた」
「あはは」
なでられながら、会話が続く。
「あのキーホルダーは、部活で先輩たちが修学旅行のおみやげでみんなに買ってきたやつで」
「うん」
「お揃い……といえばそうかもしれないけど……」
「大丈夫。大切にしないとね」
そんな素敵なキーホルダーにヤキモチ妬くほど、私も心が狭いわけではない。
私たちは私たちで、何かお揃いの物を今後持てたら嬉しいな。
はやか……いや、陽向はお揃いとか苦手な気もするけれど。
「何がいいかね」
「へ?」
「お揃い。俺たちの」
「……いいの?陽向、そういうの苦手かなって」
「いや……普通にしたいけど」
サラッと言われて、またきゅんとする。
付き合ってからの陽向は、思っていた以上に甘くて、嬉しい想定外だ。
「な、なんか意外……」
「俺も必死なんですよ……朱莉に対しては」
そう言って私の髪を一束手に取り、自分の手に巻き付けるようにくるくるとしている。
その姿が可愛くて、また愛おしくなる。
「だから……この際、思ってることは遠慮なく言ってほしい」
「思ってること?」
「うん。こうしたいとか、こうして欲しいとか……何でも」
「うーん……」
「ちなみに俺は……」
悩んでいる私を気遣ってか、陽向が先に言い出してくれる。
「さっきも言ったけど、もっと会いたい」
「それは……私も」
「これからは部活とか塾とかの後も遠慮しないで連絡していい?」
「うん、私もする」
「疲れてたり、ダメなら断って。無理しないで、絶対」
「陽向もね」
視線を合わせて、微笑み合う。
こうしていると、同じ学校に通う2人になったようで嬉しくなる。
「はい、朱莉の番。思うこと言ってよ」
「……陽向と同じ学校になりたい」
「……」
「って思ってるけど!もちろんそんなの無理なのは分かってて。でもね……」
「ん?」
「今、こうしてちょっとその気分を味わえてて……嬉しい。ありがと、陽向」
どうすることもできないことを言っていて、陽向を困らせている自覚もある。
違う学校の私たちだからこその、今の関係があることも分かっている。
けれどやっぱり……一緒の学校ならなと思わずにはいられない時もある。
「……まあ俺も同じだけど」
「え?」
「だから、特に用もないけど居残り申請出して、リスクあるけど外に出ないでここに連れてきたし。同じ学校気分味わえるかなって」
「そんな下心が……」
「ふっ、下心ばっかだけど?」
なぜか得意げな顔で微笑んで、顔を近づけてくる。
「ちなみにこの場所は、校内でも有名なイチャつきスポットで」
「イチャっ……!?」
照れる私をよそに、陽向の手は私の背中に回り、私の体はホールドされている。
もう逃げられそうにない。
「今、同じ学校の2人が放課後に隠れてここで会ってる状況……どう?」
「うん……そう思えてくる」
「ならちゃんと……イチャついとくか」
そう言って、また重なる唇。
一旦離れて、ぎゅっと抱きしめて。
またキスをする。
また離れる。けれど今度は抱きしめるのではなく、角度を変えてもう一度。
寂しさを埋めるように、好きって想いを伝えるように、何度も何度も……
初めて呼ぶ、大好きな人の名前。
勢いや雰囲気に後押ししてもらっても、小学生の頃からずっと早川くんと呼んできたから、少し恥ずかしい。
さっき陽向が言っていたことを、身をもって痛感している。
「私は陽向だけだから。大好きだよ」
さすがに少し恥ずかしくて、陽向の胸に顔をうずめ、背中に回した手に力を入れる。
けれど程なくして、陽向の手が私の頬を探るように触れ、うずめた顔は上に向けられてしまった。
目の前に照れた陽向の顔が近づいてきて、そのままキスをされた。
「……知ってる」
唇が離れ、陽向は私の頭をなでながら少し悪い顔で微笑んだ。
この顔も……好き。
「……クリスマス、一緒に過ごしたい」
「うん、私も」
「誘うの遅くなってごめん。また言い訳なんですけど……」
「ふふっ、何?」
「当然一緒に過ごすと勝手に思ってて。誘うという発想がなく……茅ヶ崎に怒られた」
「あはは」
なでられながら、会話が続く。
「あのキーホルダーは、部活で先輩たちが修学旅行のおみやげでみんなに買ってきたやつで」
「うん」
「お揃い……といえばそうかもしれないけど……」
「大丈夫。大切にしないとね」
そんな素敵なキーホルダーにヤキモチ妬くほど、私も心が狭いわけではない。
私たちは私たちで、何かお揃いの物を今後持てたら嬉しいな。
はやか……いや、陽向はお揃いとか苦手な気もするけれど。
「何がいいかね」
「へ?」
「お揃い。俺たちの」
「……いいの?陽向、そういうの苦手かなって」
「いや……普通にしたいけど」
サラッと言われて、またきゅんとする。
付き合ってからの陽向は、思っていた以上に甘くて、嬉しい想定外だ。
「な、なんか意外……」
「俺も必死なんですよ……朱莉に対しては」
そう言って私の髪を一束手に取り、自分の手に巻き付けるようにくるくるとしている。
その姿が可愛くて、また愛おしくなる。
「だから……この際、思ってることは遠慮なく言ってほしい」
「思ってること?」
「うん。こうしたいとか、こうして欲しいとか……何でも」
「うーん……」
「ちなみに俺は……」
悩んでいる私を気遣ってか、陽向が先に言い出してくれる。
「さっきも言ったけど、もっと会いたい」
「それは……私も」
「これからは部活とか塾とかの後も遠慮しないで連絡していい?」
「うん、私もする」
「疲れてたり、ダメなら断って。無理しないで、絶対」
「陽向もね」
視線を合わせて、微笑み合う。
こうしていると、同じ学校に通う2人になったようで嬉しくなる。
「はい、朱莉の番。思うこと言ってよ」
「……陽向と同じ学校になりたい」
「……」
「って思ってるけど!もちろんそんなの無理なのは分かってて。でもね……」
「ん?」
「今、こうしてちょっとその気分を味わえてて……嬉しい。ありがと、陽向」
どうすることもできないことを言っていて、陽向を困らせている自覚もある。
違う学校の私たちだからこその、今の関係があることも分かっている。
けれどやっぱり……一緒の学校ならなと思わずにはいられない時もある。
「……まあ俺も同じだけど」
「え?」
「だから、特に用もないけど居残り申請出して、リスクあるけど外に出ないでここに連れてきたし。同じ学校気分味わえるかなって」
「そんな下心が……」
「ふっ、下心ばっかだけど?」
なぜか得意げな顔で微笑んで、顔を近づけてくる。
「ちなみにこの場所は、校内でも有名なイチャつきスポットで」
「イチャっ……!?」
照れる私をよそに、陽向の手は私の背中に回り、私の体はホールドされている。
もう逃げられそうにない。
「今、同じ学校の2人が放課後に隠れてここで会ってる状況……どう?」
「うん……そう思えてくる」
「ならちゃんと……イチャついとくか」
そう言って、また重なる唇。
一旦離れて、ぎゅっと抱きしめて。
またキスをする。
また離れる。けれど今度は抱きしめるのではなく、角度を変えてもう一度。
寂しさを埋めるように、好きって想いを伝えるように、何度も何度も……