地元なじみ。
「どれから行く?」
「んーやっぱりアレかな」

そう言って私が指さしたのは、人気の室内型ジェットコースター。
人気なだけあって少し待ち時間もあるけれど、さっき陽向に話した通り、今日は待ち時間だって楽しみの1つなのだ。

早速2人で最後尾に並ぶ。
宇宙をテーマにしているから、順番待ちの列もあまり先が見えないほど、室内は暗くなっている。

「……!」

並んでいる途中、隣に立つ陽向の手が私の腰を抱き寄せるように触れてきた。
外では手を繋ぐことがほとんどで、こんなに密着する触れ方は初めてなので驚く。
けれど……

嬉しくて私も少しだけ陽向に体重を預け、よりくっつく。

「え、何その反応」
「ええ?」
「いや、恥ずかしからやめてって言われるものだと」
「普段なら恥ずかしいけど……ここ暗いし、周りの人もしてるしいいかなって」

くっついたまま顔をあげると、すぐそこに陽向の顔があった。
自分でしておいて、本当に驚いた顔をしている。

「それにね、ここなんだ。さっき言ったラブラブな人たちを見たところ。だから私も……って嬉しくて」
「……そ」

照れ隠しで素っ気ないけれど、くっついたままでいてくれて、陽向の気持ちが伝わってきて嬉しくなる。
何なら腰に触れる手の力が少し強くなった。


そのまま、いつもより近い距離で列に並ぶ。
すると、前の人たちのバッグに付いているキーホルダーが目に入った。

「あ……」

あれはメインキャラのネコの男の子と女の子のぬいぐるみのペアキーホルダー。
私たちが今着けているカチューシャのキャラだ。

ペアキーホルダーなので付き合っている2人がお揃いで付けるのは定番。
加えて最近は、男子が女の子のキャラを、女子は男の子のキャラを付けるのが流行っている。

恋人がいます!って言っているようなものだから、流石に陽向は嫌かもしれない。
でもさっきもああ言ってくれたし……お揃いで付けたい気持ちもあって。
言うだけ言ってみようかな。


「ふっ、次はあれ?」
「え、なんで……」
「何考えてるか分かるし。朱莉限定だけど」
「何それ……」

嬉しいこと言ってくれているのだろうけれど、何でもお見通しでちょっと恥ずかしくなってくる。

「最後にショップ行って買うか」
「いいの?」
「まぁ……俺も今日買おうと思ってたし」
「え!陽向、ぬいぐるみ好きだったんだ?」
「何でだよ」

横から頭をコツンと、軽く当ててきながらつっこまれてしまった。

「俺はよく分かんないけど、流行ってるんでしょ?あれ」
「うん。けど、それだと陽向が女の子の方付けるんだよ?」
「いいじゃん、大切な子がいるって感じして」

何それ……
外なのに、いっぱい人がいるのに思いっきりときめいてしまった。

ぎゅっとしたい衝動をぐっと抑えて、いよいよ私たちの乗る順番がやって来た。
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